ソニー、パナソニック、カシオ計算機などの国内メーカーのほか、韓国のサムスン電子やLG電子、米のベンチャー企業・Pebble、スポーツ用品会社・ナイキ、半導体メーカー・クアルコムなど、最近では世界中の多くのメーカーがウェアラブルデバイス市場に参入し、注目を集めている。1月7~10日に米ラスベガスで開催された世界最大級の国際家電見本市「CES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)」でも、多くの最新製品が出展されていたが、今後のトレンドに影響を与え得るデバイスを取り上げて、ウェアラブルデバイスの未来像を探ってみたい。
●モバイル通信機能を搭載したスマートウォッチ
現在のスマートウォッチのほとんどは、ソニーモバイルの「SmartWatch 2」のように、それ自体は単独での通信機能を持たず、スマートフォン(スマホ)と連携して使うタイプだが、CESにおいてはモバイル通信機能を搭載した製品が出展されていた。
それが中国・RIBXの「Ti15」と「FB」シリーズだ。RIBXは北京、シリコンバレーなど多くの支社を持ち、世界的にビジネスを展開している。「Ti15」はスリムボディ、「FB」シリーズはタフで大型なタイプと、製品は大きく2つのバリエーションとなっており、どちらもSIMスロットを搭載し、モバイル通信機能を持つことで、スマホなしに単体で使うことができる特性がある。ちなみにRIBXの社員は、この製品を「スマートフォン・ウォッチ」と呼んでいた。
これらのデバイスの弱点は、モバイル通信機能を搭載したことによる短いバッテリ駆動時間だ。「Ti15」は1日、「FB」は2日しかバッテリが持たないが、それもメーカー発表の数値なので、実際にはもっと短いかもしれない。「Ti15」のバッテリはわずか300mAhにすぎず、かなり心もとない。「FB」は850mAhあるが、ボディが大きすぎる。バッテリ駆動時間は、本体が小さなスマートウォッチでは大きな課題だ。特にモバイル通信機能を搭載する場合、最大のネックになるといえるだろう。
ちなみに、コンパニオンタイプの「SmartWatch 2」はフル充電から2~3日程度は駆動できるなど、より実用域に近い。また、長時間駆動という面ではディスプレイに電子ペーパーを搭載した「PebbleWatch」は5~7日間駆動できると公表されており、CESではメタルバンドモデル「PebbleMetal」も発表されるなど、Pebbleは注目を集めていた。ただ、この電子ペーパーはモノクロなのが残念だ。