軍需産業を民生転換し大儲けする欧米企業、一方日本は…

ロンドン五輪、ケータイ、ルンバ…身の回りは軍事技術だらけ!?

「日本オリンピック委員会HP」より
リサーチ/マーケティング会社NYCOARA,Inc.代表であり、小泉内閣時代には、竹中平蔵経産大臣の発表資料作成にも携わった田中秀憲氏が、軍事技術と日常生活の密接な関係を解説する。

 ロンドンオリンピックが始まる。

 今大会でも多くの日本人選手の活躍が期待されるが、その中でもひときわ目を引くのが、初めて3人もの選手が出場する男子テニスだ。特に錦織選手はメダル獲得の可能性もあり、これまでは女子の活躍に隠れがちだった日本男子テニスに、大きな注目が集まっている。その会場は、つい先日までウインブルドン大会が行われていた。歴史と伝統に溢れる場所での開催ともなれば、選手も気持ちの入り方が違うというものだ。

 テニスファンならよくご存じの通り、近年のプロテニス大会の大きな特徴のひとつに「チャレンジ・システム」が挙げられる。これは、高精度のカメラからの映像をデータ分析、その後CG処理することでアニメーションとして表示させ、人間の眼よりもはるかに高精度でボール落下点の判定を下すというもの。きわどい判定に選手と審判員らが揉めることの多かった時代とは一線を画す、このハイテク技術の導入により、今ではその判定過程までが観客の楽しみのひとつとなってしまっている。ところがこのようなハイテク技術導入の陰に、技術大国日本の衰退の影が散見されることをご存じだろうか?

テニスの判定システムとミサイル

 実はこのチャレンジ・システム、軍事技術の応用により実用化されたもの。英国の軍需企業ローク・マナー・リサーチという会社の技術。そもそもは、長距離ミサイルの照準をリアルタイムで処理するために開発された技術の民生転用。

 システムの名称は「ホーク・アイ」。

 鷹の眼のごとく空中から目標を見据える、という意味もあるのだが、開発者の名前(ホーキンス博士)にちなんだものだ。数千キロ先の目標に的確に命中させる技術的優位性と、一般市場での商機に目をつけた同社が、子会社「ホーク・アイ・イノベーションズ」を設立し、各方面への売り込みを開始。現在ではテニスのほか、クリケットやサッカーなどで積極的に活用されている。

 同社は、この軍事技術のスポーツへの転用について、

「音速で飛んでいくロケットの軌道計算や照準調整などに比べれば、限られた競技場の中でせいぜい百数十キロの速度しか出ない、しかもコートには障害物も凹凸もないスポーツへの転用に、さほど困難はなかった」

とコメントをしている。

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BusinessJournal編集部

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