もっと単純なところでは、充電ケーブルの問題がある。多くのユーザーは家庭での充電だけでなく、オフィスでも充電できるようにケーブルを置いていたり、外出先で利用する外部バッテリー用のケーブルを持ち歩いていたりするだろう。このケーブルがすべて置き換わるかもしれない。
もちろん、先に挙げたようにアダプタがあるのだから、アダプタを利用してもよい。しかし価格が問題だ。純正のアダプタは2800円もする。これに対して、USBコネクタと直接Lightningコネクタを接続するケーブルは1880円だ。
これも、アダプタで対応するよりも丸ごと買い換えてしまったほうがよい、と考えるユーザーが大半だろう。
商業施設はどう対応する?
実はこのDockコネクタの問題というのはけっこう大きなもので、ホテル等の施設で顧客サービスとして対応オーディオや充電器を備え付けていたところは、対応を迫られている。
一気に買い換えるとなれば出費は大きすぎる。ではアダプタで対応するのかといえば、アダプタもそれなりの価格だ。さらに、簡単につけ外しできる小型のアダプタともなれば、盗難や紛失にも気を使わなければならない。
もちろんiPhone 4S等を使い続けるユーザーもいるわけだから、完全にLightningコネクタ対応機器に切り替えてしまうことにも問題があるだろう。今まで提供してきたサービスをやめてしまうというのにも少々勇気がいる。どう対応するのか、悩ましいところだ。
イヤフォンプラグの位置も問題?
アクセサリに影響しそうな変化としては、イヤフォンプラグの位置がある。従来はホームボタンを下にした普通の縦持ち状態で、上側にあったプラグが下側へ移動した。
これの影響を受けそうなのは、一部のスタンド類と、イヤフォンプラグに取り付けるアクセサリだ。特にジャックピアス、スマートフォンピアスなどと呼ばれているイヤフォンプラグ用のアクセサリは、イヤフォン不使用時の埃侵入防止と、見た目を楽しむものとして人気だが、これを買い換える人も増えそうだ。
これまでのアクセサリは、iPhoneに合わせて上向きに取り付けることを前提としたデザインが多い。例えば動物がiPhoneのフレームに乗って眠っている形や、ぶら下がっている形をしているものを下側のプラグに取り付けると、だいぶおかしな形になる。
Dockコネクタの変更についてはサードパーティ(他社)の締め出しではないかというような声も方々から聞こえるが、アップルは果たしてこの変更でこれほど多くの人々が買い換えについて考え、各メーカーが新製品を作る事態になることまで考えていたのだろうか。
(文=エースラッシュ)