2月18日、ソフトバンクグループは「ソフトバンクカード」の提供を3月6日から開始すると発表した。昨年5月にKDDI(au)がプリペイド式電子マネーカード「au WALLET」のサービスを提供したのに続いたかたちだ。auやソフトバンクがプリペイドカードによる決済に力を入れるのには、NTTドコモがiPhoneを提供する以前に獲得したユーザーの存在が大きい。
ソフトバンクもプリペイド方式のカードを提供
スマートフォンブームやキャッシュバック競争を経て、昨今、携帯電話事業者(キャリア)各社の激しい顧客獲得競争は落ち着きつつあり、主要3キャリアの同質化が進み、各社停滞傾向にある。そうした中にあって新たな施策として注目されているのが、決済の分野だ。
キャリアが提供する決済サービスとして、昨年大きな注目を集めたのがau WALLETであろう。MasterCardの基盤を利用したプリペイド方式の電子マネーカードを提供し、auのポイントサービスと連動させることで、店舗での決済などに利用するとポイントがためられるという独自の仕組みが大きな注目を集め、昨年5月のサービス開始ながら1月12日時点で900万契約に達するなど、好調な推移を見せている。
au WALLETの好調を受けてか、ソフトバンクグループのソフトバンクモバイルやソフトバンク・ペイメント・サービスも2月18日、プリペイドサービスを用いた決済サービス「ソフトバンクカード」を提供すると発表している。こちらもau WALLET同様、ソフトバンクモバイルのサービスと連携できるプリペイドカードによるサービスなのだが、大きな違いの1つはVISAの基盤を採用し、カルチュア・コンビニエンス・クラブが展開するポイントサービスの「Tポイント」を取り入れていること。ソフトバンクカードで決済するとTポイントが通常の2倍貯まり、Tポイント100ポイント分を、85円相当でソフトバンクカードにチャージできる仕組みとなっている。
またソフトバンクカードには、通常のプリペイド方式だけでなく、「おまかせチャージ」という仕組みも設けられている。これは、カードにチャージしてある金額が不足していても、不足した金額分を自動的にチャージし、後から不足分を請求するという契約形態。ちなみにこちらを利用した場合、決済時のTポイントが通常の3倍付与されるという。
ただしおまかせチャージは、クレジットカード同様後払いとなることから、通常のプリペイドカードとは異なり契約時に審査が必要なのに加え、高校生以下・18歳未満は契約できない。そしておまかせチャージの審査を担うのは、ヤフーとソフトバンクペイメントが買収したワイジェイカード(旧・KCカード)になるとのことだ。