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そうした中にあって、若年層の決済の利便性を高めていたのは携帯電話キャリアであった。実際、キャリアが毎月の通信料と一緒に請求する決済サービスは、フィーチャーフォン時代より信用の低い若年層にとって貴重な決済手段となっていた。また最近の傾向として、au WALLETの利用傾向を見ると、アマゾンなどクレジットカード決済が必要なECサイトで利用されることが多いなど、若年層が有効に活用している様子を見て取ることができる。
さらに今後を考えると、若年層の決済手段を押さえることは、auやソフトバンクにとってはサービスの利用継続という意味で、大きな影響を与えることとなる。ユーザーの年齢層が比較的高く、長期契約利用者が多いNTTドコモとは異なり、auもソフトバンクもiPhoneへの機種変更を理由として、2~3年のうちに契約した若い世代のユーザーを多く抱えている。だが彼らは契約期間が短い上にキャッシュバックなどの影響も大きく受けていることから、キャリアへの忠誠度が高いとは限らず、長期的に契約し続けてくれるとは限らない。
それだけに、auやソフトバンクには“契約期間は短いが長期的に利用させたいユーザー”の維持が重要となっている。彼らの継続利用につなげる上でも、プリペイドによる決済サービスは、大きな武器の1つになっているといえよう。
(文=佐野正弘/ITライター)
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