消費者が企業活動に抱く疑問を考察するサイト ビジネスジャーナル ⁄ Business Journal
NEW
2013.01.29 11:05
2012.12.03 06:00
闘うジャーナリスト・佐々木奎一がゆく! ワーキングクラスの被抑圧者たち 第6回
日本IBMの大量リストラ「退職強要は裁判所のお墨付き」
こうして退職強要のクビ斬りプログラムは、当初の締切り日の08年12月19日より10日以上も早い同月7日に締め切られた。会社側が最初に出した号令から、わずが2カ月弱の出来事だった。原告たちが加盟する労働組合JMIU日本アイビーエム支部によると、この間、推定約1500人もの正社員の首が斬られたという。
●裁判による“合法”判断で、加速するIBMの首切り
原告たちは09年、会社に対し、それぞれ「違法な退職強要による精神的損害」として300万円、「弁護士費用」として30万円を請求する訴訟を東京地裁に起こした。
一審判決は、11年も押し迫った12月28日にあり、東京地裁民事19部の渡邉和義裁判長は、日本IBMの退職強要の手口を合法と判断し、原告の請求をいずれも棄却した。
これに対し原告側は即控訴。その控訴審判決が今年10月31日、東京高裁第1民事部であったが、地裁判決を踏襲する形で、控訴は棄却された。原告たちは「到底納得できるものではない」として、上告した。
この退職強要事件の後、日本IBMは、さらに強硬的になり、退職強要の過程すら飛ばして、即解雇という乱暴な首斬りを断行し始めている。これにより解雇された組合員たちによる訴訟は現在、東京地裁で係争中である。
日本IBMで吹き荒れる正社員斬りは、決して他人事ではない。裁判の行方に注目したい。
なお、日本IBM退職強要事件の詳細は、ニュースサイト・マイニュースジャパンの12年12月8日付「日本IBMの退職強要&“正社員斬り”に東京地裁がお墨付き 2カ月弱で1500人リストラの手口全容」に詳しいので、こちらも是非読んでほしい。(佐々木奎一)
Business news pick up
RANKING
23:30更新関連記事
2024.10.22 06:00
2024.10.05 06:00
2024.10.04 18:50
2024.10.02 06:00