国民民主党の森裕子参議院議員が“炎上”している。原因は、10月15日に国会質問することになっていた森議員が「通告期限を守らなかった」からである。ただし、これには双方の言い分があるので、詳しく見ていきたい。
ツイッター上で官僚が匿名で森議員を批判したことがきっかけとなった。私が最初に確認したのは、次のツイートだ。
「そもそも、台風くるのわかっているのに期限の2営業日前に質問通告出さず、台風来る中ギリギリに質問通告する、こういう議員がいるから官僚志望者減るんだろうな」
これに対して、森議員は次のように応じた。
「連休明けの予算委質会質問通告は、11日金曜日16時30分に提出済みです。 NHKへの質問はありません。 どなたからの情報ですか?」
そして、森議員に答えた次のツイートが大炎上のきっかけになる。
「なんで16:30に出したなんて嘘つくんですか? そんなに霞ヶ関の役人が憎いですか?」
10月11日は金曜日で、しかも超大型台風19号が本州に接近中だった。このツイートには同情が集まり、批判ツイートも殺到した。
その後も続くやりとりでわかったのは、森議員は午後5時までに通告はしたと主張しているが、その後も追加情報が続き、「最終版」を官僚側が受け取ったのは午後8時を過ぎていたということが明らかになった。
手続き上は確かに午後5時に間に合ってはいるが、その後の追加質問の連続で、結局、官僚側の認識では、台風上陸直前の深夜に残業させられ、実質的に期限を守らなかったのと同じだということなのだろう。
「森ゆうこ議員は本当に最低の政治家」ツイートに「いいね」殺到
森議員に関連するツイートを確認しているときに、文筆家で政策コンサルタントの原英史氏による次のツイートを見つけた。
「森ゆうこ議員が参議院予算委で、毎日新聞記事を資料として示し、何度も私を名指しして不正行為をしたと発言し、『公務員なら、あっせん利得、収賄罪』とまで言ったようだ。完全な虚偽情報をNHK中継で流したのは、さすがに酷い。発言を正確に確認したうえ、議員除名を求めるため、早急に対処する」
原氏は、国家戦略特区ワーキンググループ委員を務めていたときに、毎日新聞に便宜供与で金銭を受け取ったと書かれて、現在係争中である。その原氏を森議員が名指しで「公務員なら、あっせん利得、収賄罪」と、まるで報道が事実であるかのように、NHKで中継されている国会の場で述べたというのだ。
これには唖然とした。原氏は元経産官僚であるが、今はいち民間人だ。事実を争っている最中に政治家が国会で一方的な見解を断定的に発言するなど言語道断、これではまるで議員特権を使った人権蹂躙ではないか。