フィギュアスケートの羽生結弦選手をTwitter上で中傷したとして、岡山県の高校生フィギュアスケート選手のアカウントが炎上している。言いがかりに近い投稿内容だったこともり、羽生ファンは激怒。批判の投稿が殺到し、この男子生徒は20日、謝罪投稿をした。
「ナルシストすぎて引く」
男子生徒は13日、仮名で登録しているアカウントから次のように投稿した。
「羽生くん、ちょー性格悪いですよ。笑 僕もフィギアスケーターなんですけど、ほんまに練習態度悪いですから。笑 あとナルシストすぎて引きます。笑 あくまでも個人の意見ですけど笑」(原文ママ、以下同)
この投稿に対して、羽生ファンを中心にインターネット上で批判が殺到。投稿主の特定や男子生徒が一緒に羽生と練習したことがあるかどうかに関して真偽の検証が行われた。男子生徒は20日、本名登録アカウントで以下のように謝罪することになった。
「この度は私の無責任な発言により、羽生選手に大変不愉快な思いをさせたこと本当に申し訳ございませんでした。スケートファンの皆様、スケート関係者の方々に多大なるご迷惑、ご心配をお掛けしたこと心からお詫び申し上げます。
私の処分につきましては、学校及び岡山県スケート連盟より口頭厳重注意の処分を受け、深く反省しております。今後一人の人間として、常識のある正しい道を歩んでいくことを肝に銘じて取り組んでまいります。この度は誠に申し訳ございませんでした」
J-CASTニュースは21日、「羽生結弦をSNSで中傷 岡山県スケート連盟、現役フィギュア選手を厳重注意」と題した記事を公開。岡山県スケート連盟が事態収束のため、男子生徒に処分を下したことを明らかにした。だが、なおもファンの怒りは収まる気配はない。男子生徒のアカウントには次のような批判が続いている。
「反省の気全然見えないんですけどー、この時点でこんな曖昧な説明やめてくれない?嘘の話ならちゃんと嘘ついたと言いなさい」
「羽生の事なんてどうでもいいけど、お前のせいで岡山のスケーター全員が悪い目で見られてしまっている事を謝罪しろよ。お前程度の人間が岡山の偉大な先輩である大ちゃん(編集部注:高橋大輔選手)の顔に泥を塗った事は絶対に許さない」
「なぜ一緒に練習もしたことがないのに練習態度が悪いとか性格悪いとか呟かれたのか、疑問に思いました。どなたに聞かれたんですか?なぜ全ての文章に“笑”という文字をつけたんでしょう。羽生選手はアンチから色々言われているからご自分も嘘でも何を言ってもいいと思われたのでしたら残念です」
写真1枚で売上部数が跳ね上がる
なぜ、男子高校生は今回のような安易な投稿をしてしまったのか。新聞社運動部記者が次のように推測する。
「羽生結弦選手は名実ともに日本のヒーローです。新聞社も羽生君の写真を1枚載せるだけで、その日の売上部数が跳ね上がります。いつも購読していない方が新聞を買いに各販売店をはしごされているみたいです。また紙面に掲載した写真やオフショットを写真集にするだけで、初版から売り切れ続出のベストセラーになります。きっと、テレビ局も超優良コンテンツとして見ていると思います。
当人の実力もありますが、お金に直結するのでメディアはこぞって羽生君を取り上げます。尖った部分だけがピックアップされていきます。その結果、羽生君以外の選手の努力や活躍に光が当りにくくなっています。今回のように羽生ファンが過敏に反応したり、彼のアンチが生み出されたりする原因の一つにメディアの煽り方があると思います。
だからどうしてもほかの選手たちの間に嫉妬というか、もやもやした感情が生まれてしまうのでしょう。同じ舞台で戦う人間からすれば、思うところもあるでしょう。
羽生君は人間としての生き方やスケートの技術など、非の打ちどころのないような存在に見えます。でも実際は繊細で弱い部分があったり、無邪気な部分もあったりして、とても人間的な選手です。今回の男子生徒もこれに懲りず、彼と一緒に滑ってみてほしいですね。選手として得るものはたくさんあると思いますよ」
男子生徒にはまだまだやり直せる時間はある。今後の日本フィギュアスケート界を盛り上げてほしいものだ。
(文=編集部)