新型コロナウイルス感染の拡大に伴い、デマ情報などが原因でトイレットペーパーなどの紙製品の品薄が続いている。小売り店関係者は語る。
「メーカーに商品在庫は十分にあり、国内のすべての消費者の需要を満たす分の量はあるとのことなので、厳密にいえば“品不足”は起きていません。デマによって買い占めが生じ、小売り店の在庫が圧倒的に不足しています。小売り店側からメーカーへの急な発注増に物流が追い付かず、結果として棚から紙製品が消えてしまう現象が起きています。すでにデマだということが広く知れ渡っているので、お客様がパニックを起こしているようなことはなく、近いうちに品薄は解消されると思いますが、今週末の土日は紙類を求めるお客様が殺到して店内で混乱が生じてしまわないかが心配です」
また、別の小売り店関係者は語る。
「開店前から、マスクと紙類を求めるお客様が行列をつくっています。マスクを求めるお客様のほうが断然多く、紙類の品不足より深刻な印象です。それぞれ入口を分けて入店していただき、店内には開店直後からレジ待ちをする長蛇の列ができていますが、声を荒げるようなお客様もおらず、みなさん、きちんと“1世帯1商品限定”というルールを守って、静かに列に並んでくださるので、ありがたいです」
一部の大手小売りチェーンの店舗が大量にトイレットペーパーを陳列して話題を呼ぶ一方、いまだにスーパーやコンビニエンスストア、ドラッグストアなど多くの店舗では在庫切れの状態が続いている。
「ネットニュースなどで品薄だとは聞いていたものの、それほど気にしていませんでしたが、昨夜、会社帰りに大きなスーパーとコンビニ2軒ほどを回ってみたら、どこもトイレットペーパーや箱ティッシュの棚が“もぬけの殻”になっているのをみて、焦り始めています。自宅のストックが週末には切れそうなので、確保できるかが心配です」(30代会社員)
「会社で“本当にトイレットペーパーが売ってない”という話を聞いて、昨日家に帰ったらストックが切れそうなことに気が付いた。子どもが2人いるのでマズいと思い、今朝は午前半休を取ってスーパーを2軒ハシゴしたけど売っていなかった。なんとかドラッグストアの『ココカラファイン』で買うことができましたが、1家族1品限定だったので、大事に使わないと」(40代会社員)
「トイレットペーパー、箱ティッシュ、キッチンペーパーを、子どものママ友の間で融通し合っています。LINEグループでも“●●に売ってるよ”と常にやりとりしています。早く解消してほしい」(40代会社員)
この週末、小売り店は紙類を買い求める客で混雑するかもしれない。
(文=編集部)