所属事務所を退所し、フリーの芸人となったTKOの木下隆行が、自身が起こしたパワハラ騒動の釈明に躍起になっている。
後輩芸人にペットボトルを投げつけるなど、数々のパワハラ疑惑が飛び交っていた木下だが、4月1日に自身のYouTubechチャンネル「木下プロダクション」を立ち上げ、自分に非があることを認めたうえで「調子に乗っていた」とコメント。また、カジサックのYouTubeチャンネルにも出演(4月3日)し、さらに4月5日には地上波の『ワイドナショー』(フジテレビ系)にも出演、神妙な顔で反省の辞を述べた。
これに対し、木下が所属していた松竹芸能の芸人事情に詳しいある放送作家はこう語る。
「ペットボトル投げつけ事件は2018年年末の合同ライブ終演後のこと。よゐこ・濱口さんの結婚祝いパーティーのために木下さんが後輩芸人たちから集めた8万円を、松竹の後輩であるオジンオズボーンの篠宮くんから『あんた、あの8万円ちょろまかしたでしょ!』とステージ上で詰問され、終演後の楽屋で木下さんが激怒し、ペットボトルを投げつけたところ篠宮くんの顔面にヒット。『芸能界から消したるわ!』とまで言われたといいます。
その後、右目への眼帯生活を余儀なくされた篠宮くんは、どうしても我慢ならなくてこの話を吉本芸人たちにも拡散させ、広めたそうです。木下さんにはほかにも、クロちゃんの顔面を踏みつけたり、そもそもドがつくほどのケチで後輩からはまったく慕われてなかったりと、腫れ物以上の存在に。もはや篠宮くんをはじめ他の所属芸人との関係は修復不可能との判断もあり、退所を選んだといわれています。
篠宮くんは結果として嫌われ者の木下さんを事務所から追い出した格好になりますが、それでもTKOはゴールデンのバラエティに呼ばれるほど、松竹芸能の中では売れっ子だった部類。篠宮くんは面白いのですがいまいちブレイクしないため、事務所からすると『何やってくれてるんだ』という雰囲気もあるらしいですね」
YouTube上に29万もの「低評価」
晴れてフリーとなった木下は先述の通りYouTubeチャンネルを立ち上げ、すべての非を認めたうえで謝罪しているが、その動画には5000弱の「いいね」に対して、29万もの「低評価」が付いてしまう(2020年4月15日現在)。
あるネットライターは次のように語る。
「芸人さんがYouTubeチャンネルを始めるのはもはや何も珍しいことではないのですが、テレビでもよく見かける人気芸人の動画にここまで低評価が付くのは今まで見たことがありません。チャンネル登録者数も約1万。そもそも木下さんは冠番組を数多く持つほどの人気芸人ではなかったうえに、動画内では自分に酔ったような表情で反省の辞を述べてましたが、ああしたニュアンスだと、同じくいまいちYouTuberとして成功していない宮迫(博之、雨上がり決死隊)同様、謝罪動画としては逆効果。『ワイドナショー』では元AKB48の指原莉乃が、『再生回数や登録者数を謝罪動画で稼いでるように見える』と苦言を呈しましたが、まさにおっしゃる通り。本当に謝罪したうえで心機一転YouTuberを始めるなら、まずは松竹のホームページなど、本当に迷惑をかけた場からの発信という形を取るべきでしたね。
本人は、YouTuberデビューすれば宮迫さんレベルにはいけると思っていたのかもしれません。あくまでも“巻き込まれた”芸人が大半の吉本の闇営業騒動と、木下さんがみずから暴力をふるった松竹パワハラ騒動とは、そもそも問題の質がまったく違います。そこを理解できていない以上、木下さんはすべての見込みが甘すぎるといわざるを得ません」
カラテカ入江と仲が良かった?
事務所を退所しても、相方の木本武宏と「コンビは続ける」と明言している木下。片や松竹芸能所属のまま、片やフリーのYouTuber……という形でコンビを続けることは本当に可能なのか?
彼の今後の芸能活動を、前出の放送作家は次のように予測する。
「木下さんは円満退所を強調していますが、事実上のクビで間違いない。よゐこの濱口さんも今回の件で共演NGを出したそうですし、実際、昨年9月に執り行われた濱口さんの結婚披露宴にも木下さんは呼ばれなかったとか。松竹芸人のほとんどの芸人から総スカンを食らったわけですから、相方の木本さんとしては見捨てることはできなかったのではないでしょうか。
また、木下さんの今回の退所に関しては、“未成年との不純異性交遊疑惑”や“怪しい社長人脈疑惑“、“反社とのつながり疑惑”などキナ臭い噂が飛び交っていたのも事実。闇営業問題で吉本を唯一クビになった入江さんと木下さんとは、相当仲が良かったそうですからね。退所に際しては、パワハラ以外にも、事務所と木下さんとの間でなんらかの“手打ち”があったのだろうという向きは、関係者にも結構多いです。
松竹芸能は吉本ほど怖い会社ではないですが、当然しばらくはテレビ局出禁になるはず。さらば青春の光のふたりは元松竹芸能ですが、同じように不祥事で事務所をクビになってもキングオブコントで結果を出し続け、今はフリーですがバラエティ界に返り咲くことができました。TKOにも同じく結果が求められるわけですが、今や朝ドラ俳優を経て役者としての人気も出てきていた木本さんがそこまでのリスクを負うかどうか……。実際は、事実上のコンビ解散と見ていいと思います」
パワハラという言葉が一般化し、一般社会でも部下や後輩をむやみに叱りつけることは難しくなってきているこの時代。「飲む打つ買うも芸のうち」のような破天荒さが受容されていた芸人社会も、そうした時代の波から逃れることはできなくなっているようだ。フリー芸人・木下隆行はTKO寸前でなんとか踏ん張りギリギリ立ち上がってみせはしたが、さて、セコンドもいないこの状況で、今後どう反撃していくのだろうか?
(文=藤原三星)