新年度となり、自分のチームに新たな人材が配属にされたり、昇進して部下ができたりするなど、新たな環境でスタートを切った上司の立場の人もいるだろう。リーダーや上司にとって気を付けなければいけないのが「ハラスメント」だ。「自分は大丈夫だろう」と思っていても、実は自分の言動が部下にとってハラスメントになっていることもあるかもしれない。
『もしかしてブラック上司?』(柴田励司著、ぱる出版刊)では、よかれと思ってやったことがブラック上司と認定されてしまう企業社会と部下心理に焦点を当て、ブラック上司回避テクニックを紹介している。
著者は、「ブラック企業」かどうかを判断するには、上司を見ればすぐに判断できると言う。「ブラック上司」が多ければ、その部下たちにとって会社はブラック企業になる。多くの場合、ブラック企業の原因はブラック上司にあるのだ。では、どんな上司がブラック上司の仲間入りをしてしまうのか。
部下を待たせて理不尽に時間を奪う「ブラック上司」
不合理な指示や軽率な行動で部下の時間を理不尽に奪い、個々のパフォーマンスを下げてしまう上司がいる。たとえば、指示や判断が遅いため、部下を待たせてしまいムダな時間を費やしてしまう。こうした上司の言動がネックとなり、仕事が前に進まない状況が生み出されているのだ。メールの対応一つとっても、部下だからといって待たせていけないのは当然。上司による部下への対応が不十分だからこそ、生産性が落ちていくのだ。
部下は、保身に走る上司かどうかを冷静に見ている
著者は、部下に信用されない上司の典型が、保身に走る上司だと指摘する。課長の指示でやったことなのに、問題が起きたときに、担当した部下と問題そのものだけがクローズアップされ、課長は「自分の指示が原因だ」とは決して言わない。傍観者のように事態を見守る上司もいるが、その傍観こそが保身だ。部下からすれば「課長の犠牲になった」としか思えず、信頼は崩れてゆく。
上司は問題が起きたとき、解決に動くと同時に、すぐに「指示したのは自分である」と名言しなければいけない。もし、「指示は間違っておらず、担当者がミスをした」という場合でも、任命責任を感じ、申し出る。部下を守ろうとする姿を見せる上司でなければ、ブラック認定されてしまうだろう。
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本書の内容を通して、思い当たる節があるという上司もいるだろう。よかれと思っての言動も、部下からしたらパワハラ、セクハラと感じているかもしれない。そして、自分の言動が組織の生産性を落としているとすれば、すぐに変わらないといけないのは上司自身である。
知らず知らずのうちにブラック上司にならないためにも、普段の自分の言動を思い返しながら本書を読んでみてはどうだろう。(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。