頑張っているのになかなか成果が上がらないということは仕事をしているとよくあるし、仕事とはむしろその連続と言える。ただ成果があがらないことでストレスを感じ、疲労感も色濃くなっていく。その状態で仕事に臨んでも、やはり成果は出ない。仕事の悪循環だ。成果が出ても出なくても、ムダに疲れないように働くにはどうしたらいいのか。お手本にしたいのが、Googleの働き方だ。
『Google流 疲れない働き方』(ピョートル・フェリークス・グジバチ著、SBクリエイティブ刊)は、元グーグル人事担当のピョートル・フェリークス・グジバチ氏が、グーグルの社員のストレスをためない取り組みから、個人でも真似できるものなどを中心に紹介する一冊である。
「疲れる組織」と「疲れない組織」の違い
ポーランド出身の著者から見た日本人は「疲れている」という。しかも、頑張っているのに、各国の生産性を比べてみると日本は低い方だ。これは「疲れ」が生産性の邪魔をしていると考えられる。シリコンバレーにあるグーグル本社社員は、真っ昼間から会社でバレーボールをして遊んでいたり、近くをランニングしている。だが、彼らは遊んでいるのに、高いアウトプットを出している。
仕事で重要なのは付加価値、アウトプットがいかに大きいか。どれだけ長時間職場にいたかではない。グーグルの社員たちは、最大限のアウトプットを出せるように、心と体の状態を整えるために休息しているのだ。となると、バレーボールも実は仕事と結びついているわけで、単なる遊びではない。
また、組織には「疲れる組織」と「疲れない組織」があると著者。たとえば、「疲れる組織」は忖度が多いと述べる。上司が何を望んでいるのは推測したり、相談すると怒られてしまうかもしれないと勝手に考えて、疲れてしまうというわけだ。
一方、「疲れない組織」は、「わからないこと」は「わからない」と言える空気がある。相手と信頼し合えて、何でも質問できるようになると忖度をしなくなるので、無駄なことに脳のパワーを使う必要もなくなる。そのため、集中力が増し、結果的にパフォーマンスも上がるのだ。
信頼し合えるチームを作るためには?
では、信頼し合えるチームを作るにはどうすればいいのだろうか? 著者がまず提案するのが、「みんなで飲みに行くこと」。外部の講師を迎えての研修を行うよりも、まずは仲間と一緒に飲む機会を作るほうが、安価なうえに効果的だ。
リラックスして発言できる状況を作りやすいし、オフィスで話しづらかったことも話しやすい。相手の事情が分かれば、フォローもしやすくなるだろう。みんなが「ここでは安心して発言ができる」と感じる場を作ることができれば、ストレスのない職場に近づけるのだ。
仕事がつまらないと感じているなら、「それはなぜか?」「どうしたら楽しくなるのか?」を考える習慣をつけることも大切。自分の机のことと目の前のタスクにしか関心がない人が多いと著者は感じているようだ。
疲れている、成果が出ないという人は、グーグルの働き方を参考にしてみてはどうだろう。(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。