一律10万円給付の裏で菅官房長官が内調に指示か…高井議員のセクキャバ通いリーク説も
国会議員秘書歴20年以上の神澤志万です。
4月16日、政府が緊急事態宣言の対象地域を全国に拡大することが発表されました。その動きが伝わった同日夕方、「やっと安倍総理が目覚めたのか!」と永田町はざわめきましたが、実は流れは13日から変わってきていたのです。
正直、安倍晋三首相の周辺はガタガタです。昭恵夫人の旅行騒動や和泉洋人首相補佐官と大坪寛子厚生労働省官房審議官の「コネクティングルーム不倫疑惑」から、アベノマスクや星野源さんとのコラボで炎上まで、いい話がまったくありません。
特に、和泉補佐官と大坪審議官の問題では、和泉補佐官が外務省側に「大坪審議官とのコネクティングルーム宿泊を最優先してほしい」と再三要求するメールが出てきましたね。みなさんからすれば「え、まだあの不倫官僚が官邸にいるの?」という感じかと思います。
和泉補佐官も、「アベノマスクの仕掛け人」とされる今井尚哉首相補佐官も、永田町や霞が関の住人たちの批判を気にせず、安倍首相を上手にコントロールし続けてきました。しかし、あまりにも的外れな施策が続いてしまい、「官邸は終わった!」と絶望していた官僚たちも、さすがに危機感を持ったようです。
そして、この危機感が自民党の二階俊博幹事長を動かしました。二階幹事長は官僚たちの意向も受けて、安倍首相に「条件なしで国民1人当たり一律10万円の給付」を強く進言したのです。その翌日には、公明党の山口那津男代表も同じことを安倍首相に直接要求しました。
菅官房長官の指示で「内調」が動いたか?
この件に関しては、「もしかして内調が動いたの?」と映画のような展開を想像しました。内調とは「内閣情報調査室」のことで、警察庁の公安部門と法務省外局の公安調査庁(いわゆる公調)、防衛省情報本部などと同じ情報機関(つまりスパイ活動)の部署です。内調は首相直轄なので、指示を出せるのは菅義偉官房長官しか考えられません。
一律10万円の現金給付案はもともと野党が主張していたのですが、政府主導で決めたように見せるためか、立憲民主党の高井崇志衆議院議員のスキャンダルも同時に報道されましたね。高井議員は以前から外出自粛下での安倍首相の会食を批判していましたから、目をつけられていたのでしょう。
また、「対象を絞った30万円給付案」を自民党政務調査会の最終案として官邸に届けた岸田文雄政調会長は顔が潰され、次期首相への道が閉ざされました。本当に、菅官房長官は恐ろしいほどの策略家ですね。
この件で、与党内での対立はすさまじいものがあります。16日に予定されていた衆議院予算委員会理事懇談会は、自公の対立によって開催できないという異常事態になりました。結果的に、一律給付に大反対していた麻生太郎財務大臣や今井補佐官らと、推進派の二階幹事長や菅官房長官、公明党のバトルは、推進派に軍配が上がったことになります。
そして、緊急事態宣言の対象を全国に拡大したのですから、早急に補正予算案の組み替えを行い、給付金が1日でも早くみなさんの手元に届くようにすべきです。一方で、医療崩壊はすでに起きていると言っても過言ではありません。
「身近に感染者がいないから大丈夫」ではなく、全員が不要不急の外出を控えるなどして、感染を防止しなければいけません。ワクチンが完成するその日まで、長い闘いになりますが、今は緊急事態であることを認識して、「我慢・我慢・我慢」を一緒にしていきましょう。何卒よろしくお願いします。
(文=神澤志万/国会議員秘書)
『国会女子の忖度日記:議員秘書は、今日もイバラの道をゆく』 あの自民党女性議員の「このハゲーーッ!!」どころじゃない。ブラック企業も驚く労働環境にいる国会議員秘書の叫びを聞いて下さい。議員の傲慢、セクハラ、後援者の仰天陳情、議員のスキャンダル潰し、命懸けの選挙の裏、お局秘書のイジメ……知られざる仕事内容から苦境の数々まで20年以上永田町で働く現役女性政策秘書が書きました。人間関係の厳戒地帯で生き抜いてきた処世術は一般にも使えるはず。全編4コマまんが付き、辛さがよくわかります。