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舛添「ケ知事」でも刑事責任問われない理由…政治資金を何にでも使える日本の政治家

文=高橋洋一/政策工房代表取締役会長、嘉悦大学教授
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 ザルの典型をいえば、迂回献金である。政治資金規正法では、企業や業界団体が行う特定の政治家個人へ献金を禁止しているが、罰則がなく、しかも政党や政治資金団体への献金を認めている。これでは迂回献金ができるわけだ。

 また、政治資金の使途については、同法ではほとんど何も書かれていない。政治資金の運用方法として、金融機関への預貯金、国債証券、地方債証券の取得などに限定されており、株式運用等を行うことは禁止されている。それに、資金管理団体による不動産の取得等の制限があるくらいだ。不動産や株式に使うのはまずいが、逆にいえば、それ以外には何に使ってもいいともいえる。

 こうした事情もあるので、政治資金の支出について、政治資金規正法違反で刑事責任を問われた例は、おそらく過去にはない。

米国法との大きな違い

 米国法では、政治資金からの私的な支出は禁止されている。その例として、休暇中の旅行、衣服への支出は禁止されている。つまり、正月のホテル宿泊やチャイナ服への支出は私的支出に該当し違法である。なお、衣服は選挙ロゴ入りの帽子やTシャツは認められている。

 舛添問題を、舛添氏の辞任だけで終わらせてはいけない。7月10日投開票の参院選、そして同月に行われる可能性が高い都知事選で問われるべきは、国は政治資金規正法改正で米国法並みに私的支出の制限、都では海外出張経費や公用車使用など都知事活動の見える化、都議会の多額報酬の削減などを公約に掲げる政党はどこかを、有権者はよく精査すべきである。

 おそらくマスコミは、舛添氏の辞任で叩き終わったと思っているので、そうした論点は頭にないだろうが、法や条例が常識とずれているなら、法改正や条例改正が必要である。
(文=高橋洋一/政策工房代表取締役会長、嘉悦大学教授)

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