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六代目山口組の「標的」だったと噂される神戸山口組幹部が突如引退…分裂騒動が再始動か

文=沖田臥竜/作家
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六代目山口組の「標的」だったと噂される神戸山口組幹部が突如引退…分裂騒動が再始動かの画像1
現在、使用制限がかけられている神戸山口組事務所

 特定抗争指定暴力団に指定されたことで、現在は使用禁止制限がかけられている六代目山口組総本部(神戸市灘区)。その六代目山口組が分裂する以前、二次団体である雄成会(本部・京都市)の高橋久雄会長は、当番責任者という重責を務めていた。現役時代の筆者がガレージ当番で総本部に泊まり込みに行くと、夜中に総本部の駐車場内を黙々と見回る高橋会長の姿をよく目にしていたことを覚えている。

 その後の六代目山口組の分裂に伴い、神戸山口組傘下となった雄成会だが、その高橋会長が、ゴールデンウィークの明けた5月7日夕刻に京都府警を訪れて、引退を表明したのである。

 突然の出来事ではあったが、業界内では数日前から、高橋会長が引退するのではないかという噂が各所で飛び交っていたのは確かだった。実話誌記者が解説する。

「その後、尾ヒレがついたように、高橋会長だけでなく、どこどこの親分も引退するようだ、いや、あの幹部も一緒に辞めるようだ、といったようなさまざまな噂が流れていました。それらは信憑性が高いものばかりではないのですが、最初に引退の噂が流れたのが、高橋会長だったのは確かです。こうした情報が入った場合、我々のような記者も、以前であれば、すぐに雄成会の本部事務所前へと行き、組員の出入りや事務所の様子をうかがったり内部関係者に話を聞いたりすることで、そうした噂が事実であるか、ある程度裏取りすることもできたんです。しかし、今は事務所に使用制限がかけられているなどするため、そうした取材もできない。そうこうしているうちに、7日に雄成会の本拠地のある京都府警を高橋会長が訪れ、組織の解散届を提出し、自身の引退を申し入れたことがわかりました」

 昨今、特定抗争指定暴力団への指定と新型コロナウイルスの影響で、小康状態が続いていた山口組分裂騒動。そんななかでの神戸山口組幹部の引退は唐突感が拭えないものだったが、ある捜査関係者はこう分析する。

「去年、神戸山口組の幹部が立て続けに襲撃される事件が起きた。最初は熊本で、その次が北海道。そして兵庫県尼崎市では、神戸山口組幹部がマシンガンによって殺害された。それらは明らかに、六代目山口組サイドが意図的に幹部を狙い撃ちにしているという動きだった。そして、マシンガンで組幹部を殺害した容疑者は、事件後、現場から逃走を図り、京都府内で逮捕されているのだが、逮捕後にはっきりと『高橋会長を殺害しようとしていた』と供述しており、実際に容疑者が使用していた自動車内には、ライフル銃や拳銃のほか、実弾も見つかっていた。つまり、身柄が確保されていなければ、高橋会長を襲撃していた可能性は極めて高かった。その後、六代目山口組サイドが高橋会長の周辺を探っているという噂まであった。高橋会長の心中を察すると、そうしたことも、今回の引退に関係しているのではないか」

 もちろん、これは捜査関係者の推測であり、引退の真相がどこにあるのかはわからない。だが、高橋会長の引退が、今後、神戸山口組内部になにかしらの影響を及ぼすことは間違いないのではないか。さらに、表面上は沈静化している山口組分裂問題も、水面下では大きな動きが起こり始めていると見るほうが自然なのかもしれない。

(文=沖田臥竜/作家)

沖田臥竜/作家

沖田臥竜/作家

作家。2014年、アウトローだった自らの経験をもとに物書きとして活動を始め、小説やノンフィクションなど多数の作品を発表。小説『ムショぼけ』(小学館)や小説『インフォーマ』(サイゾー文芸部)はドラマ化もされ話題に。最新刊は『インフォーマ2 ヒット・アンド・アウェイ』(同)。調査やコンサルティングを行う企業の経営者の顔を持つ。

Twitter:@pinlkiai

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