元ライブドア社長で実業家の堀江貴文氏(47)が東京都知事選(6月18日告示、 7月5日投開票)に立候補する意欲を見せているとの報道があった。東京メトロ・都営地下鉄の合併、都庁内のデジタル化促進など37項目の公約を盛り込んだ著書『東京改造計画』(幻冬舎刊)の発売に合わせた活動と見られることから、東京都議会関係者からは「税金を使う選挙で、自分の本の販促PRをするのはいかがなものか」などと疑問の声も聞かれる。
選挙戦略「当選が目的ではない」
20日付のスポーツ報知インターネット版記事『堀江貴文氏、都知事選出馬へ 関係者は可能性に『99%』…7月投開票』は次のように報じる。
「選挙戦は『当選が目的ではない』という異例の作戦を取るという。関係者によると、選挙中は自身の考えた『東京改革案』を披露する考えで、新型コロナウイルスの感染状況なども踏まえ、通常の街頭演説や集会、支援者回りなども行わず、インターネットを駆使する方針。約350万人がフォローする自身のツイッターや動画配信などで、従来型の選挙活動とは一線を画す。
一方で、新聞やテレビ、選挙公報も活用し、自身の宣伝活動を行う。堀江氏はNHKから国民を守る党の立花孝志氏と親しく、同党は支援に回るという。立花氏は都知事選に立候補する意向を明らかにしているが、『堀江さんが出るなら取りやめる』と話している」
堀江氏著『東京改造計画』の編集者はセクハラ疑惑渦中の箕輪氏
そして出馬にあたっての選挙公約は今月発売の著書『東京改造計画』に約500ページにわたって掲載するというのだ。ちなみに、この著書の担当編集者は幻冬舎の箕輪厚介氏。箕輪氏は16日、文春オンライン(文藝春秋)で公開された特集記事『《絶対変なことしない》《でもキスしたい》幻冬舎・箕輪氏が不倫関係を迫った「エイベックス松浦自伝」出版中止の真相』で姿を現している。箕輪氏はエイベックス会長の松浦勝人氏の自叙伝の企画を担当した中心人物として登場し、エイベックス元社員のライターA子さんに対するパワハラ・セクハラの疑いが指摘されている。
箕輪氏は19日、自身のTwitterアカウントで以下のように投稿し、本の販促PRに余念がないようだ。
ずっと作ってきた本の予約が開始になります。『東京改造計画』です。堀江貴文さんが37項にわたって東京都へ政策提言をします。革新的なアイデアから必ず炎上する極論まで全て書き切りました。よろしくお願いします。https://t.co/fEOWeSWf94@takapon_jp
— 箕輪オンライン厚介 (@minowanowa) May 19, 2020
「ずっと作ってきた本の予約が開始になります。『東京改造計画』です。堀江貴文さんが37項にわたって東京都へ政策提言をします。革新的なアイデアから必ず炎上する極論まで全て書き切りました。よろしくお願いします」(原文ママ、以下同)
Twitter上では賛否両論
選挙を通じて候補者が政策提言を交わすことで、都政が良くなればそれにこしたことはない。だが、都議会自民党関係者は次のように疑問を呈する。
「N国党の選挙戦略が、当選を必ずしも意図せず、自党の主張を展開する場をつくることだったことは周知の事実です。だから、従前から同党の戦略を画期的と賛同してきた堀江氏がその波に乗るのは自明だったとも言えます。選挙にかかる税金は、自著の広告費を肩代わりするものではないのですが、グレーゾーンをうまく活用するということなのでしょう。きっと、堀江氏は本当に当選したらこの公約を実施する気はないでしょう。いつもの言いっぱなしですよ。
実際、あのセンセーショナルな公約を本気で達成するつもりなら、相当の政策立案能力や行動力、調整力が必要です。石原(慎太郎)さんや舛添(要一)さん、猪瀬(直樹)さんであっても、満足に都政改革できませんでした。堀江氏の手腕が本当に卓越しているのかどうかお手並み拝見です」
Twitter上でも、堀江氏の都知事選への出馬に関して賛否は分かれている。
「堀江さんの新刊もだけど、都知事選出馬って、こりゃ面白そう! ワクワクする!
ってかこのまま、コントや茶番繰り返す長老たちに政治任しとったら、何も変わらんどころか、ジリ貧で日本沈没だよ?
変わるなら今! 提言が実現された世の中を見てみたい! 絶対、楽しい!」
「ホリエモン都知事選出馬か。選挙はコスパの良い宣伝道具だと立花から教わった感じか」
「うわぁ…あの人が都知事選出馬?勘弁してよ…ほんと。
でも面白がって投票する人いるんだろうな(呆。
万が一、まぁありえないけどアレが都知事になったらマジ都民やめたい。
真面目に大嫌いだからその件のRTやイイネで拡散したりしないよ。
ツイッターで宣伝効果狙ってるんでしょう、どうせ」
「自民党候補出さないと出た瞬間。小池都知事に商売潰された人の代表として、票を取れるとふんだか。」
小池百合子知事の続投がほぼ確実視され停滞していた都政に、堀江氏が投じた波紋は今後どのように広がるのだろうか。
(文=編集部)