7月31日、東京都知事選の投票が行われ、投票が締め切られた20時、小池百合子氏の当選確実をメディアは一斉に報じた。
今回の都知事選では、小池氏、元岩手県知事で元総務大臣の増田寛也氏、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏が有力候補として、最後まで三つ巴の選挙戦を繰り広げたが、鳥越氏に関するさまざまなニュースがしばしば話題を呼んだ。
公示2日前に突如出馬を表明した鳥越氏は、出馬会見で「公約はこれから考える」と発言。さらに他の候補者とくらべて極端に一日当たりの演説回数が少なく、候補者による討論が予定されていたフジテレビ番組への出演をキャンセルしたとも報じられており、準備不足を指摘する声も多かった。
そんな懸念を象徴する“事件”が7月18日、東京・巣鴨で街頭演説を行った際に起こった。聴衆を約20分間も待たせて遅れてきた鳥越氏は、1分にも満たない短さで演説を終え、聴衆から怒号が飛ぶという事態が起こった。
さらに鳥越氏に追い打ちをかけたのが、女子大生淫行疑惑に関する報道だった。21日発売の「週刊文春」(文藝春秋)によれば、2002年、鳥越氏は女子学生(当時)を自身の別荘に誘い、嫌がる女性にキスをして行為を迫ったが、女性は拒否したという。この報道を受け鳥越氏は、「文春」に抗議文を送付するとともに、公選法違反罪(選挙妨害)などで東京地検に刑事告訴した。
その後、7月24日に行われたインターネット番組の討論会では増田氏、小池氏を含む5人の候補が登場したが、鳥越氏は再び欠席した。
投票日当日も出演拒否
結局、落選という残念な結果に終わった鳥越氏だが、投開票日にも“出演拒否”をしていたことが明らかとなった。
7月31日に放送されたテレビ選挙特番『池上彰のニッポンの大問題~都知事選SP生放送~』(テレビ東京)内で、支援者らが「ただ呆然と椅子に座って、固い表情で真っ直ぐ前を見つめている」(テレ東アナウンサー)という鳥越氏の選挙事務所からの中継が放送されたときのこと。
アナウンサーは、「鳥越候補、あと5分くらいで到着するといわれているのですが」とレポートした後、「こちら(=テレ東)から、鳥越さんと池上さんの中継のリクエストを出しているのですけれども、今のところ、(鳥越氏サイドより)『ちょっと難しい』といわれています」と拒否されたことを明かした。