来年1月解散はない?
ところが、ある自民党関係者は真っ向から来年1月解散説を否定する。その理由は3つ。
「まず、予算の問題が第一。通常国会召集直後に解散すれば、来年度予算は間に合わなくなる可能性が高い。このご時世にそんなことをすれば、自民党は袋叩きになる」(同関係者)
日本経済の立て直しの道半ば。そう訴え続けてきた安倍晋三首相が、経済を根底から揺るがす真似はできないとの指摘だ。続けて区割りの問題に言及する。
「1票の格差を是正するため検討している衆院選挙区画定審議会は、来年5月末にも小選挙区について0増6減の改定案を勧告する予定。安倍首相は勧告前の解散は法的に縛られないと言ったが、あくまでもフリーハンドを保つための方便で、勧告後に区割り変更した上で解散したほうがいいのはわかっている」(同)
区割りが足かせになれば、野党はそれに従い準備をしてくる。そのために煙幕を張っただけで、何度も司法に逆らうつもりはないとの見方だ。
そして、当然のことながら、解散権は首相の専権事項だということだ。
「伝家の宝刀を抜くのに、何カ月も前から手の内を明かすバカはいない。自民党の中堅・若手には常在戦場で気を抜くなと叱咤し、野党は早々と準備して“兵糧”がなくなれば儲けもの。そんな程度の話だ」(同)
12月総選挙説が有力か
では、肝心の選挙時期はいつなのか。現在の衆院任期が2018年12月13日まで。つまり、再来年になれば、追い込まれ解散も予想され、党内での安倍首相の求心力もガタ落ちする可能性もある。なので、17年内のどこかで解散を打ちたいのは道理だ。
ネックになるのは、夏の都議選。公明党が都議選と同時期の解散総選挙だけはノーの立場なので、夏を外すことは確定している。
「つまり、来年11月解散、12月総選挙との見方が、自民党上層部では有力です。もちろん、本当のところは安倍首相しかわかっていません」(同)
いずれにせよ、来年が“選挙イヤー”になることだけは間違いなさそうだ。
(文=朝霞唯夫/ジャーナリスト)