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1969年、当時の国王イドリース1世がトルコに病気療養に行っている間に、将校であった27歳のカダフィは軍事行動で政権を掌握、「大リビア・アラブ社会主義人民ジャマーヒリーヤ国」を建国した。国家の最高指導者になった後も、「カダフィ大佐」との呼称を用いた理由は、建国の理念として「国家元首」の存在を否定しているから、「革命」の初心を忘れないため、など諸説がある。
リビアにはアフリカ最大の油田があり、天然ガスなどの資源も豊富だが、イドリース1世の時代には、アメリカやオランダの資本に握られていた。それらの資源をカダフィは自国の手に取り戻した。
資源から得られる莫大な富を元にして、食料、医療、教育、電気など基本的な国民生活は無償で提供されるようになった。卒業した学生が就職できない場合、就職が決まるまで生活費が支給された。
一方、カダフィが独裁者であったことも事実だ。他国を訪問する時はテントを建てるカダフィだが、首都トリポリでは、「バアブ・アル=アズィースィーヤ」と呼ばれる宮殿で暮らした。プールもあれば、対空機関砲や地下壕もあった。
カダフィの護衛をするのは、「アマゾネス・ガード」を呼ばれる30~40人ほどの女性。全員処女であり、純潔の誓いを立てている。ムスリム文化の中で、西洋式の服装や化粧、髪型をし、ハイヒールなどを着用できるので、若い女性の憧れの的だった。
生活の保障はされている国民だが、言論の自由はない。反政府的な発言をすると、容赦なく投獄され、あるいは命を奪われる。
テロ支援
リビアがかつてテロ支援国家であったことも事実だ。1985年12月27日、2つの空港でテロ事件が起きる。イタリアのローマ国際空港では、アメリカのトランス・ワールド航空とイスラエルのエル・アル航空のチケットカウンターで、4人の男たちがライフルを乱射、手榴弾を爆発させた。オーストリアのウィーン国際空港では、イスラエルのテルアビブ行き航空機のチェックインのための行列に3人の男が手榴弾を投げつけた。2つのテロで19人が死亡、140人が負傷した。パレスチナ人のアブ・ニダル率いるテロ組織が犯行を認め、リビアから武器が提供されたことを明らかにした。
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