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当時のロナルド・レーガン米大統領は、カダフィを「狂犬」と呼び標的にした。86年4月15日、アメリカは、エルドラド・キャニオン作戦に踏み切った。地中海に展開する航空母艦から飛び立った戦闘機F-111が、カダフィの宮殿を爆撃。15人の民間人が死亡したとリビアは発表した。カダフィは宮殿におらず、かすり傷ひとつ負っていない。アメリカは空爆を行うまでに同盟諸国に根回しを行っていたが、イタリア政府とマルタ政府からカダフィに情報が伝わっていたのだ。
88年12月21日、ロンドンのヒースロー空港を飛び立った、パンアメリカン航空のボーイング747-100 で貨物コンテナが爆発した。空中分解した機体は、スコットランド地方のロッカビー村に落下して爆発。乗員乗客259人と村民11名が死亡する。旅客機の目的地はアメリカで、乗客のほとんどはアメリカ人だった。残骸から発見されたタイマーが、リビアで売られたものであることが判明。リビアの諜報員の犯行であることが突き止められる。アメリカの空爆への報復であった。
2003年にリビアは、パンアメリカン航空の爆破の責任を認め、賠償を行った。テロ支援国家であることをやめたという証を立てたのだ。
カダフィがいなくなった現在のリビアは、無政府状態に陥り国民への福祉はなくなった。そしてISの温床としてテロリストの養成所と化している。確かに比較としては、カダフィがいた頃のほうがよかったといえる。
豊かな資源を元に国民への福祉を実現していたカダフィには、経営的センスがあったとみていいだろう。女好き、過激な発言など、トランプとカダフィには共通点が多く、意気投合したであろうことは想像がつく。カダフィ大佐のテントをトランプが自邸裏庭に受け入れたのは、自然なことだったのだろう。
(文=深笛義也/ライター)
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