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防災訓練の様子
問題は防災意識の低さだけではない。高齢化が防災上も大きな障害となってきているのだ。象徴的なのが災害時に救助・救護の中核となる消防団員である。1960年には全国に159万人いた消防団員は、90年に99万7000人と100万人の大台を割り込み、14年には86万人にまで減ってしまった。ピーク時のおよそ半分の水準である。
同時に、団員の高齢化も目立つ。75年の団員の平均年齢は33.3歳だったが、15年には40.2歳にまで上がり、60歳以上の団員が全体の5%を占めている。地域の防災のプロである消防団員の減少、高齢化による防災力の低下は否めない。
高齢者の単身世帯の増加も懸念材料だ。65歳以上の高齢者がいる世帯は13年現在、2242万世帯で全世帯の44.7%を占める。このうち、ひとり暮らしの高齢者(単身世帯)は85年の113万世帯から14年には596万世帯に急増している(16年度版「高齢社会白書」)。大震災発生時のひとり暮らしの高齢者の避難、救護活動が大きな課題となってくる。
震災が発生するとの認識は高いが、防災意識は高まらない。防災体制も社会構造も高齢化のリスクを抱えたままなのだ。実際にXデーが訪れたとき、日本は本当に大丈夫なのだろうか。
(文=編集部)
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