アメリカがアフガニスタンに“最強爆弾”を投下した。
4月13日、米軍は核兵器以外の通常兵器で最大の破壊力を持つとされる「大規模爆風爆弾兵器」(MOAB)をアフガニスタン東部のイスラム国(IS)の拠点に落としたことが発表された。MOABが実戦で使用されるのは初めてで、このタイミングでの空爆は北朝鮮への牽制ではないか、との見方すら出ている。
アメリカのドナルド・トランプ大統領は、ツイッターで「北朝鮮は面倒を起こそうとしている。(問題解決に向けて)中国が協力を決断しなければ、我々は独力で問題を解決する」と発言しており、北朝鮮とは一触即発の状態だ。
その北朝鮮は、15日に金日成元国家主席の生誕記念日を迎え、25日には朝鮮人民軍の創設85周年パレードが行われる。その前後に再び核実験やミサイル発射が決行されることが危惧されており、そうなればアメリカとの衝突は避けられない。経済評論家の渡邉哲也氏は、以下のような現状認識を示す。
「アメリカのシンクタンクは、15日にも北朝鮮が核実験を行う可能性を指摘しており、衛星写真などから、すでにその準備が完了していると分析している。また、同日には原子力空母のカールビンソンが朝鮮半島近海に到着する予定であり、カールビンソンと海上自衛隊は共同訓練を行うことが発表されている。さらに、『Navy SEALs』(米海軍特殊部隊)の支援船が沖縄に寄港しており、米軍はいつでも作戦行動に出られる態勢を整えている状況だ。
米軍が攻撃に出るタイミングとして、15日に核実験やミサイル発射が行われた場合のほか、27日の新月の日の可能性も指摘されている。アメリカは夜間にミサイル攻撃を行うことが多く、新月の夜は空が暗いため、新興国の持つ兵器では迎撃が難しいからだ。
また、GPS(全地球測位システム)の精度が著しく落ちた場合、作戦行動が近いとみることもできる。GPSはアメリカの軍事衛星を利用しているが、平時は民間利用されている。しかし、有事の際には民間に提供される使用チャネルが限定されるため、精度が落ちたり挙動がおかしくなったりする可能性があるからだ」
トランプ米国、北朝鮮めぐり中国に強い圧力
トランプ大統領は中国の習近平国家主席との米中首脳会談でも北朝鮮の問題について協力を求め、記者会見では「彼は特別な男だ。彼は(北朝鮮問題に)全力で対処するだろう」と持ち上げる姿勢も見せている。一方で、前述のようにアメリカ単独での対処も辞さない構えで、米中首脳会談中にはシリアへの空爆を命じるなど、軍事行動に積極的な姿勢を見せている。
「真意はわからないが、中国に対してこれまでにないほど強く圧力をかけていることは事実。最終的な落としどころは、北朝鮮に核とミサイルの開発を破棄させ、国際的な監視体制を受け入れさせることであり、中国にその対応を求めているわけだ。中国としても対処せざるを得ないことは理解しており、すでに北朝鮮との国境付近に15万人の兵士を集結させているという報道もある。しかし、北朝鮮との関係は以前より悪化しており、経済制裁ぐらいしかできないのが現実だろう」(渡邉氏)