秋篠宮家の長女・眞子さまの婚約は、5月16日放送のテレビ番組『NHKニュース7』でスクープとして報道された。宮内庁関係者からの情報提供がなければ、このスクープは生まれ得ないが、なぜこのタイミングなのか。5月19日に閣議決定した「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」との関連も取り沙汰されたが、眞子さま婚約の発表と因果関係は見いだせない。
皇室報道で豊富な実績を持つ「女性自身」(光文社)の皇室担当記者・近重幸哉氏は「これは私の見解ではなく、あくまで一般的な見方」と断わったうえで、次のように整理する。
昨年7月13日、NHKが天皇陛下のご退位のお気持ちをスクープした。参議院選挙で「改憲勢力」である与党が大勝し、東京都知事選告示直前という時期だった。自民党は舛添要一前都知事問題、小池百合子現都知事の立候補でのゴタゴタが話題になっていた。眞子さんのご婚約がスクープされた5月16日は、森友学園問題と加計学園問題が加熱している真っ最中である。
この2件から「自民党がイメージダウンから国民の目を逸らさせ、マイナスイメージを払拭するタイミングを狙ったという見方があります。まして皇室の慶事は、一気に国民を明るくするニュースですから」(近重氏)という。
この見方が妥当な場合、首相官邸、宮内庁、NHKの3者が緊密に連携して進めていたと推察できるが、近重氏は「NHKの宮内庁担当キャップは優秀な方です。宮内庁からの信頼も厚いでしょう。NHKは第一報までに小室圭さんに関する周辺取材も丁寧に済ませて、報道するタイミングを見計らっていたのではないでしょうか」と説明する。
皇族の減少問題
また、秋篠宮ご夫妻が婚約を受け入れた背景について、近重氏はこうみている。
「秋篠宮ご夫妻はお相手である小室圭さんと面会されて、誠実な人柄を評価されたのだと思います。同時に小室さんがどんな結婚生活を送ろうとしているのか、自身の将来設計についてしっかりとしたお考えを持っていることをご夫妻に説明して、理解していただいたのではないでしょうか。小室さんは現在都内の法律事務所でパラリーガル(事務スタッフ)として働いていますが、一橋大学大学院の院生であり、十分な生活費があるとは考えられません。ですので、結婚後の一時期は皇室経済法に基づいて皇籍離脱に伴い眞子さまに支払われる一時金で生活費をカバーすることになるとも考えられます。2005年に結婚された天皇・皇后両陛下の長女・黒田清子さん(当時は紀宮さま)には、1億5250万円が支払われました」
眞子さまは結婚によって皇籍から離脱するが、改めて問われるのは将来にわたっての安定的な皇室の存続と公務数の維持である。現在の皇族の人数は18人。眞子さまの離脱で17人に減少し、今後も女性皇族がご結婚で離脱していけば、そう遠くない将来に、天皇陛下の孫世代で唯一の男子である悠仁親王に公務が集中しかねない。
近重氏は「悠仁さまがご即位後に担われるご負担が過剰になってしまうだけでなく、皇族の減少に伴って、ご公務の総数を大幅に減らさなければならなくなります。皇室と国民が触れ合う機会も少なくなってしまいます」と懸念を示す。
(構成=編集部)