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六代目山口組が年末行事を粛々と進める一方で神戸山口組を攻撃か…“激戦の地”岡山で銃声

文=山口組問題特別取材班
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六代目山口組・司忍組長

 その光景は、まるで分裂問題にかかわる諸問題など微塵も気にとめていないと思えるものだった。12月に入って2日目。東日本に拠点を置く六代目山口組の友好団体が、例年同様、次々と年末の挨拶で六代目山口組を訪問したのである。

 現在、六代目山口組は特定抗争指定暴力団に指定されていることなどから、総本部をはじめとした多くの組事務所が使用禁止とされており、さらにそうした拠点の周辺も警戒区域とされ、組員たちは同地域内での活動が大きく制限されている。そのため、組織内で会合が行われる際や他団体の訪問を受ける際には、使用制限を受けてない組事務所をしているのが実情だ。

 そんな中、12月2日に友好団体を迎えたのは、静岡県に本拠地を置く六代目山口組の二次団体・六代目清水一家であった。この日、同組本部事務所を訪問したのは4団体。稲川会、松葉会、双愛会、東声会の順で訪れ、司忍組長髙山清司若頭をはじめとした六代目山口組最高幹部らと年末の挨拶を交わし、親交を深めたのだった。

 「清水一家に友好団体が訪問する中で、司組長も出入り口に姿を現し、晴々とした空を見上げる場面があった。その姿は、分裂問題などまったく意に介していないように見えた」(地元関係者)

 このように、例年と変わることなく年末の公式行事をこなしていく六代目山口組サイドからは、5年もの間、神戸山口組と抗争を展開しているという緊迫感など窺えなかったという。しかし、それは表面上のことだったのかもしれない。事実、六代目山口組サイドは、神戸山口組の壊滅に向けて手を休めることなく、動き続けていたようだ。その矢先、岡山県で銃声が響いたのである。

 今夏以降、神戸山口組から、その中核であった五代目山健組、そして池田組が離脱したことで勢力図が塗り替えられ、これらに加え、六代目山口組の勢力をはじめとした各組織がひしめき合う状態になっている地域が複数存在している。

 その最たる場所が山口組分裂後の抗争で、初めて発砲事件による死者を出した岡山県となるだろう。ここには、六代目山口組、神戸山口組、それに五代目山健組と池田組といった各勢力が拮抗しているのだが、その一角である神戸山口組の二次団体・三代目熊本組傘下組織の組事務所が先ごろ、六代目山口組の中枢組織・三代目弘道会系組員らに発砲されたのだ。

 「発砲があったのは、12月3日午前8時40分ごろと見られており、現在聞いている話だと、その後に弘道会傘下である野内組系組員2人が『拳銃を撃ってきた』と児島署に出頭してきたということです。この日は、滋賀県にある六代目六代目山口組傘下の淡海一家本部事務所に司組長が訪れ、清水一家にいた前日に続き、今度は西日本の友好団体の挨拶を受けています」(ヤクザ記者)

 この時、六代目山口組サイドを訪問した友好団体は、訪問順にあげると、六代目共政会、二代目親和会、七代目合田一家、四代目福博会、七代目会津小鉄会の5つ。

 「この際、岡山で起こった発砲事件を気にする様子すら見受けられなかった。報復があってもおかしくない中、そんなことなど気に留めないほどの余裕の表れなのかもしれない。だが、神戸山口組に対するプレッシャーは、同組が解散しない限り今後も続くのではないか。同じ岡山に本拠地を置く池田組は今年、同組若頭が六代目山口組系組員に銃撃されたのち、神戸山口組から離脱している」(某組関係者)

 今回の発砲事件が、神戸山口組サイドに何らかの影響をもたらす可能性はある。師走に入って、山口組分裂問題は終息に向かうスピードが上がりつつあるのかもしれない。
(文=山口組問題特別取材班)

山口組問題特別取材班

山口組問題特別取材班

ヤクザ業界をフィールドとする作家、ライターおよび編集者による取材チーム。2015年の山口組分裂騒動以降、同問題の長期的に取材してきた。共著に『相剋 山口組分裂・激動の365日』(サイゾー)がある。

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