衆議院議員選挙をめぐる動きが慌ただしい。なかでも注目を浴びているのが、東京都の小池百合子知事が代表に就任した希望の党と、事実上の解党となった民進党の合流だ。
民進党の前原誠司代表は、「全員が希望の党から公認を受けるよう努力する」と語ったが、小池代表は「全員を受け入れる気持ちはさらさらない。リベラル派は排除する」と、「排除の論理」を明確にしている。また、公認をめぐっては希望の党の「拒否リスト」も出回っているとされる。
小池代表の提示する条件は「憲法改正、安全保障法制などに賛同すること」といわれているが、このほかにも、いくつかの“踏み絵”があるとされる。
そんななか、10月2日に枝野幸男氏が記者会見を行い、リベラル派の議員らと「立憲民主党」を結成することを明らかにした。民進党は希望の党合流組、無所属、そして立憲民主党組と3つに分裂したことになる。
また、自由党の小沢一郎代表は民進党と希望の党の合流について「野党はひとつになって戦わないといけない」と前向きな姿勢を示しており、自由党と希望の党の合流も取り沙汰されている。
9月29日、リベラル派として知られる山本太郎参議院議員(自由党共同代表)が在日本大韓民国民団(韓国民団)主催の記者・市民セミナーで講演を行った。セミナー終了後、筆者は山本氏に現在の政局や今後の出処進退について話を聞いた。講演の内容は後述することとし、まずは山本氏のインタビューをお伝えする。
「小池代表を警戒、監視しなければならない」
――今の政局について、どうお考えですか。
山本太郎氏(以下、山本) 安倍晋三政権を引きずり下ろすための手段として新たな風を吹かせるというのは、理解できます。しかし、小池代表の誕生については、おおいに警戒しなければならない。小池代表の登場が本当にいいことなのか、よく考えなければならないでしょう。
これは、国会議員だけでは止めようがありません。有権者のみなさまの協力が必要で、国民一人ひとりが小池代表を警戒し、監視していかなければなりません。
希望の党に合流しようとする人たちについては、「選挙に勝たなければいけない」という気持ちは理解できますが、小池代表の考えに同調する“小池派”が増えてしまうのはよくないことだと思います。
ただ、今の政局のなかで、良識あるリベラル派が生き残りのために合流しようという動きは悪くないと思います。小池代表のふんわりした人気に乗っかっているわけですが、小池代表の人気も理解できます。日本では女性がリーダーシップをとることはなかなかないですから、現状が痛快であることはわかります。
リベラル派は選別される可能性はありますが、トロイの木馬ではないですが、希望の党の内部あるいは外部から小池代表にブレーキをかけて抑えていくことが、今の政治に必要だと思います。