「新型コロナウイルスに係る厚生労働省電話相談(コールセンター)」とのやり取りに関する録音データがFacebookとTwitter上で拡散され物議を醸している。
コールセンターとのやり取りの内容
投稿者は24日、「厚生労働省に『新型コロナウイルスは誰がはっけんしたのか? どこでどのようにはっけんしたのか?』と問い合わせしてみました。厚生労働省コロナ相談室」と記載した上で、以下のようなコールセンター担当者とのやり取りを公開した。録音がいつのものかに関する記載はなかった。
Q.新型コロナウイルスを誰が発見したとか、どこで発見したとかに関して教えていただきたいのですが。
A.科学的根拠を示すようなものが、事実上ない状態でございまして、論文などがない状態なのですが、あるものとして対応しているという状況でございます。
Q.ないということはどういう状況なんですかね。
A.科学的根拠に基づいた資料というものがない。
Q.ないということは何にもとづいて、あるっていう設定……あるってなっていますよね。新型コロナウイルスが今、蔓延しているということになっていますよね。それは科学的根拠が示されないということなのですかね。
A.示すものとして、今、ご案内できるものがないのですが、こちらの厚生労働省としては、あるものとして対応しているという状態でございます。
Q.あるものとしてっていうのは、ウイルスがあるという前提のもとにということですか。
A.はい。
コールセンターと厚労省の見解に齟齬?
新型コロナウイルスの存在を示す科学的な根拠は、WHO(世界保健機関)や日本の国立感染症研究所などで示されている。一連のやり取りが本当に公的機関の電話相談窓口でなされたのだとすれば大きな問題ではないだろうか。
厚労省の電話相談窓口は昨年2月7日からフリーダイヤルが導入され、同省が委託した事業者がコールセンターを運営することになった。令和2年5月11日付官報によると、厚労省は「新型コロナウイルスに係る厚生労働省電話相談窓口(コールセンター)の運営一式」に関する事業を発注し、昨年2月7日付でエヌ・ティ・ティマーケティングアクト(落札額2億4606万1025円)、アイネットサポート(同9771万8412円)、トランス・コスモス(同1憶3864万4000円)の3社と随意契約を締結していた。
電話相談窓口は感染の危険性を軽視したりする主張や、ウイルスの恐怖を極端に煽ったりする風説を防ぐため、政府による「正確な情報発信」の一翼を担っている。一連のやり取りがインターネット上で拡散されていることを伝えたところ、同省健康局結核感染症課の担当者は次のように話した。
「コールセンターといっても委託業者の方にお願いしているようなものですので、厚労省の見解と、委託業者が伝えた内容が、電話のやりとりの中で少し齟齬が生じたのかもしれません。
厚労省としては国立感染症研究所でも昨年1月31日に(ウイルスが)分離され、存在しないという見解はまったくございませんし、科学的に根拠がないというのも誤っています。当然、新型コロナウイルスが存在しているという前提のもとに我々が施策を対応しているわけで、論文もたくさんあるのも事実です。間違った情報が拡散していくことがあってはならないので、委託業者の方には適切に対応するように伝えているところです」
(文=編集部)