今、所持していたら犯罪? 1970~80年代のヤンキー中学生の“あぶない”必需品を振り返る
あなたにとって「懐かしい」とは、どんな情景でしょうか?
1970~90年代の「懐かしい」を集めたのが「ミドルエッジ」。あなたの記憶をくすぐる「懐かしい」から厳選した記事をお届けします。
さて、今回振り返るテーマは、70年代後半~80年代のヤンキー中学生が所持していた“あぶない”アイテム。少年たちの憧れのワルといえば、昔ヤンキー、今ラッパー?
有名ラッパーの「D.O」が、大麻取締法違反などの疑いで逮捕されましたが、それに比べればヤンキー中学生の所持品なんてかわいいもの。「強く見られたいから」「ケンカに勝ちたいから」「とにかくイカしてるから!」……そんなさまざまな理由から、つっぱることが男の勲章だと信じて生きてきた彼らが愛用していた必需品について、特集していきます。
カバン潰し&赤テープカバン
80年代のヤンキーたちにとって、学生カバンは改造してナンボ。風呂場にカバンを持ち込み、熱湯をかけて革を柔らかくし、漬物石などを重しにして数時間待てば、薄くて、細くてカッコいい、ペチャンコカバンの出来上がりです。
そのカバンの持ち手にテープを巻くのも当時の主流。一説には、赤テープ=喧嘩売ります、白テープ=喧嘩買います、という意味付けがあり、また一部の学校では黄色テープ=仲間募集といったローカルルールも存在しました。
スリッポン
ドリフシューズ、ゴムシューズ、キャンバスシューズ、カンフーシューズ、ズック、チョン靴など、さまざまな異名で呼ばれた80年代のスリッポン。語源である「足を滑り込ませる」の意味の通り、靴ヒモを結ぶことなく履けるため、今でも手軽なファッションアイテムとして若い世代から重宝されていますが、当時のヤンキーたちは「喧嘩の時軽くてフットワークが良い」という理由で履いていました。
しかし、多くのヤンキーたちが明らかにフットワークに支障をきたすであろう、踵をつぶして履くという矛盾も。野暮な理屈にしばられず、時に非合理的とも思える価値観を美徳とすることこそ、ヤンキーのヤンキーたるゆえんなのです。
クリームソーダの財布
原宿表参道の路地裏から日本中に50’Sムーブメント&アメリカンドリームを解放した伝説的ファッション・グッズショップ「クリームソーダ」。
商品から、内装、BGM、店員に至るまで、すべてが店長・山崎眞行氏が持つアウトローっぽさを体現したそのスタイルは、全国の不良少年から熱烈に支持されたものです。そのなかでも特に人気を博したのが、赤地にドクロのマークというお馴染みのロゴが印字された豹柄の財布でした。
トロイのカーディガン
真っ赤な生地と胸元にプリントされた煙をくゆらすパイプ……。そんなトロイのカーディガンにハイネック、タックパンツを合わせるのが、今風の言い方をすると「量産型ヤンキー」の定番ファッションでした。
他にも、白のタートル+トロイのカーディガン、トロイのハイネック+トロイのカーディガンなど、多彩な着こなしが存在したものです。
デカいバックルのベルト&エナメルの細いベルト
ヤンキーファッションで重宝されたベルトには、2パターンあります。ひとつは、とにかくデカいバックルのベルト。特にフランスのブランド「CELINE(セリーヌ)」による、バックルが馬車のカタチをしたベルトが人気を博していました。
もうひとつが、エナメルの細いベルト。赤、青、白、ピンク、ゴールドなど、さまざまな配色のものが存在し、学ランを着用する際にハイ・ウエストに見えるとの理由から親しまれました。
特殊警棒(三段式)
ヤンキーたちにとって喧嘩は日常茶飯事。基本的には、素手喧嘩(ステゴロ)上等で非武装でのタイマンに明け暮れる彼らでしたが、いつ何時、ルール無用のダーティー・ファイトを良しとする非道漢に出くわすかわかりません。そんな時、非道には非道で対抗すべく、メリケンサック、バタフライナイフなど共に常備された武器が、三段式の特殊警棒です。
三段階で折りたためて非常にコンパクトになるため、当時、通学カバンに入れて持ち歩くヤンキーがたくさんいました。
この連載では次回以降も皆さまの脳裏に「懐かしい」が蘇りそうな記事を提供して参ります。「こんな記事は?」「あのネタは?」なんてお声もお待ちしておりますので、よろしくお願いいたします。
(文・構成=ミドルエッジ)