2019年のラグビーワールドカップ、2020年の東京五輪・パラリンピックに向けて、インバウンド(訪日外国人客)が増え続けている。新宿、浅草、銀座……、どこへ行っても外国人観光客があふれている。テレビでも、訪日外国人たちの姿を追う番組が連日のように流れている。少子高齢化が加速する日本にとって、外国人の消費パワーはもはや無視できないものとなっているが、外国人の行動形態に変化が表れているようだ。
特に今、クローズアップされているのが体験ツアーだ。トリップアドバイザーは6月下旬、「外国人に人気の体験・ツアー ランキング」を初めて発表した。
上位10傑は次の通り。
(1)マリカー(東京)
(2)アキバフクロウ(東京)
(3)ユカズ ジャパニーズ クッキング(東京)
(4)英語通訳案内 まちタクシー(京都)
(5)Kimono Tea Ceremony Maikoya Osaka(大阪)
(6)Cycle Kyoto(京都)
(7)マユトズ リトルキッチン ジャパニーズクッキングクラス(東京)
(8)えびす屋 京都嵐山總本店(京都)
(9)東京みらくるサイクリングツアー(東京)
(10)Tokyo FoodDrink Tour(Japan Wonder Travel=東京)
マリカーは国際免許で日本の公道をゴーカート車両で走るツアー。アクションカメラやレンタルコスプレなどのオプションが用意されている。アキバフクロウは秋葉原にあるカフェで、フクロウたちがいる部屋で癒やしの時間を過ごすというもの。
そのほかは、クッキングやサイクリング、茶道体験など、日本の文化や街並みを五官で体験しようというアクティビティだ。
筆者も5年前にベトナムを再訪した際、ホーチミン市で「シクロ クッキングコース」というシクロ乗車と市場での食材購入、そしてベトナム家庭料理をつくる現地のツアーに参加した。キッチンではブラジル人の婦人と2人で生徒になり、シェフからレッスンを受けた。冷たいビールを飲みながら、自分たちがつくった料理を味わうひとときは最高。たった25ドルでベトナムの食文化を堪能することができた。
そんな異国での体験があるから、訪日外国人が日本の文化を体験するツアーに興味を示すことも十分理解できる。逆に言えば、このような体験ツアーのコンテンツがインバウンドビジネスのひとつのカギになるのだろう。