ビジネスジャーナル > 社会ニュース > 韓国で再燃するベンチャーブーム  > 3ページ目
NEW

NAVERやkakaoはもう出ない? 韓国がユニコーン企業を生まない理由とは

文=河 鐘基/ロボティア編集部
【この記事のキーワード】, , ,

“安パイ”で手堅いプロジェクトが人気

 一方、大企業によるM&Aも活発ではない。韓国国内のベンチャー企業が順調に業績を伸ばし上場するまでには、平均で12年を要するとされている。そのため、経験や技術、資金面を支えてくれるM&Aが非常に重要となってくるが、その頻度がとても低い。2017年、米シリコンバレーでは593件のM&Aが成立したが、韓国国内ではわずか29件だった。スタートアップを含む韓国国内ベンチャーのM&A比率で見た場合でも、4%ほどしかない。

 また韓国の投資サイドは、すでに海外で成功を収めた技術を国内展開するようなベンチャー企業に投資する割合がとても多いのだという。つまり、流行をキャッチアップするにとどまっていたり、“安パイ”で手堅いプロジェクトに投資する傾向が強い。どのような技術やアイデアが世界的に爆発的な成長を遂げるか見抜くのが、投資サイドの仕事の醍醐味ともいえそうだが、その重要な役割をあまり果たせていないということになりそうだ。

 現在、米中貿易摩擦や国内政治の様相が複雑化していることもあり、韓国経済の停滞はますます深刻になるという専門家たちの分析もある。そんななか、求心力を持った新たな新興企業が現れるか否かは、韓国経済全体にとって非常に重要なファクターになると思われる。まだまだ課題が多いとされる韓国のベンチャーブームだが、そこから新たな可能性が生まれるのか注視していきたい。
(文=河 鐘基/ロボティア編集部)

NAVERやkakaoはもう出ない? 韓国がユニコーン企業を生まない理由とはのページです。ビジネスジャーナルは、社会、, , , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!