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写真:代表撮影/ロイター/アフロ
米中貿易戦争で中国経済はおろか、徐々に日本経済への影響も懸念され始めているが、日本よりも先に韓国経済が大きなダメージを被っており、1997年に韓国を襲った通貨危機再来への警戒感が高まっている。
かつて韓国の経済危機では、米国や日本が助けの手を差し伸べたが、文在寅政権に対して日米両政府は抜きがたい不信感を抱いているという構図は、97年の通貨危機の際の日米韓3国関係と同じ状況だけに、韓国が経済的に没落するなか、今月27、28日の米朝首脳会談の結果次第では、米国の経済支援を受けた北朝鮮が経済的に韓国を凌駕する可能性も出てきている。
悪化する日韓・米韓関係
韓国産業通商資源部が今月1日に発表した2019年1月の貿易統計(通関ベース)によると、輸出は463.5億ドルで前年同月比5.8%減となった。輸出の20%前後を担う半導体の市況悪化に加え、米中貿易戦争のあおりを受けて総輸出の4分の1を占める中国向けの輸出額減少が大きな要因だ。
しかも、輸出の減少は2カ月連続だけに、マーケットでは再び通貨危機への懸念が高まっているようだ。韓国は97年の通貨危機以外でも、2008年の貿易赤字の際も経済危機が囁かれたほか、11年にも輸出不振と欧州の金融危機の2つの大きな要因が重なり、通貨危機に陥りかけている。
しかし、韓国が08年と11年に通貨危機を回避できたのは、日米両国が韓国にドルを融通したことが大きい。逆に97年の通貨危機では、「米韓関係が悪化していたため、米国は日本にもドルを貸さないよう指示し、韓国はIMF(国際通貨基金)に救済されるという不名誉を被った」と元日本経済新聞の鈴置高史が著書『米韓同盟消滅』(新潮新書)のなかで指摘している。
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