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次期首相、茂木敏充氏が最有力か…パワハラ体質に官僚が「取り扱いマニュアル」作成

文=編集部
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茂木敏充
茂木敏充幹事長(「自民党 HP」より)

 衆院選後、自民党の派閥は新人議員などの入会で勢力図が変わったり、領袖が交代するなど大きな動きが続いている。

 最大派閥は95人の「清和政策研究会(清和会)」。党籍を離れた細田博之衆院議長に代わって安倍晋三元首相が派閥に復帰し、会長に就任した。第2派閥は麻生太郎副総裁が率いる「志公会」で53人。第3派閥は51人の「平成研究会」で、故竹下亘氏の後任会長に茂木敏充幹事長が就いた。第4派閥は二階俊博元幹事長の「志帥会」で44人。第5派閥が総裁派閥の「宏池会」で42人。岸田文雄首相は派閥会長に留まったままだ。

 第6派閥だった石破茂元幹事長の「水月会」は所属議員減少を受け、派閥を解消し、グループへ移行した。会長の石原伸晃元幹事長が落選した「近未来政治研究会」は8人。すでに石原氏が辞意を表明し、近く新会長が決まる。後任には森山裕前国対委員長が有力だ。

 派閥の新たな勢力図が固まり、永田町の関心事は早くも「ポスト岸田」の行方にある。岸田首相の任期は3年後の2024年秋までながら、来夏に参院選があり、その結果次第では「ポスト岸田」の出番となるからだ。

「数は力」からいえば安倍派だが、派内には下村博文元文科相、西村康稔前コロナ担当相、萩生田光一経産相らがいるものの、まだ誰が総裁候補なのか絞り込めていない。安倍氏本人が3度目の首相を目指すのかについては、12月7日に出演したBS番組で「そんなことは誰も考えていない」と否定している。9月の総裁選で安倍氏が推した高市早苗政調会長は、無派閥のままだ。

 麻生派には河野太郎前ワクチン担当相が所属しているが、派内は「次は河野氏」とはなっていない。

「現状、『ポスト岸田』の先頭を走るのは茂木幹事長です。派内の参院議員らの抵抗を押し切って強引に派閥会長に就いた。幹事長の権限は絶大ですし、もともと首相を目指してきた茂木氏はやる気満々ですよ。茂木氏の対抗馬と目されるのは、岸田派ナンバー2の林芳正外相でしょう。岸田首相は、宏池会支配の長期継続のためにも、自分の次は林氏と考えているようです。林氏は首相になるために参院から衆院へ鞍替えしたぐらいですから鼻息は荒い」(自民党関係者)

経歴が似ている茂木氏と林氏

 この「ポスト岸田」最右翼とされる茂木氏と林氏の2人は、実は経歴も性格もそっくりだ。茂木氏は日本新党から初当選、林氏は自民党世襲の4代目という出自こそ異なるものの、政治家になるまではともに、東大→商社勤務→米国留学の道筋をたどっている。

 茂木氏は1955年生まれの66歳。東大経済学部を卒業後、丸紅と読売新聞社に勤め、米ハーバード大ケネディ行政大学院に留学。帰国後、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社し、同社幹部の大前研一氏が代表を務めた平成維新の会で事務総長だった。

 林氏は1961年生まれの60歳。東大法学部を卒業後、三井物産で勤務した後、地元、山口県下関市にある実家のファミリー企業に入社。その後、米ハーバード大ケネディ行政大学院に留学した。父の林義郎元蔵相の秘書を務めてから政界入りしている。

「2人とも英語が堪能で政策通。野心を表に出すことをいとわない自信家で、常に上から目線。エリート臭をプンプン出しています。だから、あまり人望はありません。ただ、茂木氏は、霞が関の官僚たちに『取り扱いマニュアル』を作成されるほどのパワハラ体質ですが、林氏はパワハラはしないので茂木氏ほど嫌われてはいない」(政治部デスク)

 先頭を走る2人を追い抜く逸材が出てくるのか、それとも岸田長期政権があるのか。

(文=編集部)

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