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六代目山口組が「新たな対抗勢力」への実力行使を本格化、事件続発

文=山口組問題特別取材班
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岡山で激震!六代目山口組が「新たな対抗勢力」への実力行使を本格化、事件続発の画像1
SNSで出回った襲撃未遂事件後の映像より(画像処理は編集部)。池田組組員に“返り討ち”にあった妹尾組幹部が出血し、横たわっている。

 六代目山口組分裂問題の行方は、神戸山口組の存続如何が焦点になっていた。それはつまり、神戸山口組の井上邦雄組長が引退し、組を解散させるまでは、同組織の勢力が著しく衰退していようとも、分裂問題が解消することはないと見られているということだ。だが現在、別の組織の存在が、六代目山口組サイドを刺激する事態が発生している。それが岡山に本部を置く池田組だ。

 池田孝志組長率いる池田組は、2020年に神戸山口組から離脱。今年9月には、同じく神戸山口組から離脱した絆會と運命共同体ともいえる関係を結び、その上で神戸山口組と親戚関係を結んだ。だが、こうした活発な動きは、六代目山口組側を刺激するに十分だったのだろう。

 事実、神戸山口組と親戚関係を結んだ直後には、現在、使用を禁じられている池田組本部に駐車されていた関係車両2台がツルハシのようなもので破損させられるという事件に続き、池田組長の親族宅に車両による特攻が行われたのだ。それは六代目山口組側が、池田組の動きに敏感になっていることを示しているようでもあった。

 そして、業界関係者の誰しもが「まだ何かあるのではないか」と囁いていた矢先のこと。10月26日、六代目山口組の二次団体である五代目山健組傘下の三代目妹尾組若頭らが、岡山市内で散髪中の池田組長を襲撃しようとした事件が起きたのだ。「しようとした」というのは、池田組長の護衛役の組員が、妹尾組幹部らを阻止し、襲撃は失敗に終わったのである。そして、その模様を収めた動画すぐさまSNSなどで拡散されることになったのだ。

 「池田組長をサバイバルナイフで襲撃しようとし、護衛の組員らに取り押さえられたのが妹尾組の若頭。そして、現場から逃走したと見られる本部長は、その後、池田組の関係施設に対する発砲事件を起こし、そのまま警察署に出頭したのです」(事件記者)

 池田組長襲撃を画策したものの失敗に終わり、若頭は池田組組員らに取り押さえられた。これでは格好がつかないと考えた本部長がすぐさま池田組の関係先に発砲しにいったということなのだろうか。日をまたがずに起きた2つの事件はすぐさま、業界内を駆け巡ることになった。

 「池田組長も、六代目山口組からは絶縁処分を受けている。その組長が堂々とヤクザを続けている以上、いつ山口組陣営から狙われたとしてもおかしくないのは確かだった。それでも、山口組陣営による池田組への対処は、神戸山口組との問題が解消された後になるのではないかとも見られていたが、ここ最近の池田組長の活発な動きは、何かと目を引くものが多かったのは事実。そのため、このタイミングで池田組長がターゲットにされたのではないか」(業界関係者)

 池田組は山口組時代から豊富な資金力を持つ組織だとして定評があり、それは独立組織になった今も変わらないとされている。そうした中での今回の時間を、池田組との親睦を深めている絆會や親戚関係となった神戸山口組はどうとらえるのだろうか。

 いったんは沈静化していた六代目山口組側による対抗勢力への実力行使は、ここに来てスパンが縮まっている。今後もこうした事件が多発していくのかいなか、予断を許さない。

山口組問題特別取材班

山口組問題特別取材班

ヤクザ業界をフィールドとする作家、ライターおよび編集者による取材チーム。2015年の山口組分裂騒動以降、同問題の長期的に取材してきた。共著に『相剋 山口組分裂・激動の365日』(サイゾー)がある。

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