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債務整理ビジネスで増加する“違法弁護士”の実態(前編)

有名弁護士事務所まで非弁提携で市民を食い物に!

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「かつて私のところに相談に来た依頼人のケースですが、その方はある弁護士に債務整理を依頼したところ、その事務所は『お金を振り込んでください』と言うだけで、事件の進捗状況をまったく説明しない。それでおかしいと思って、その弁護士を解任して、私に再度、事件を依頼をしてもらいました。調べたところ、その弁護士は消費者金融と交渉もせず、事件を放置し、半年間、依頼人からお金を振り込ませているだけだったのです。それで、私がその弁護士に内容証明を送ったところ、何の説明もなく、依頼人が入金したお金を返金してきました。その事務所では、依頼人と弁護士が顔を合わせた時間は1〜2分程度で、肝心の債務整理の話は全く出なかったそうです」  
 倫理観が高いとされる弁護士に事件を依頼して、どうしてこのようなことになるのだろうか。松永弁護士は「問題を起こすのは、決まって非弁提携の噂が立っている弁護士です」と言う。  

 代理人として訴訟を行ったり、消費者金融などと交渉を行う債務整理は法律業務だが、法律業務を行うのは弁護士などの資格がなければならない。資格を持たずに法律業務を行った者は、弁護士法に違反する「非弁活動」に当たるとされ、処罰される。(弁護士法72条)  

 また、弁護士法では弁護士が非弁業者から事件の斡旋を受けたり、これらの者に自己の名義を利用させてはならないと規定されている。「非弁提携」とは、このことを指す。(弁護士法27条)  
 法律業務は高度に専門的な知識や高い倫理観が必要であり、悪用すれば依頼人を食い物にすることもたやすい。そのため、依頼人を保護するために、法律業務は弁護士の独占行為とされてきたのだ。

「非弁提携」は弁護士の独立性を失わせ、非弁活動を助長する。弁護士事務所が非弁業者に支配される事態となると、非弁業者が弁護士の名前を悪用し、さまざまな不法行為が横行することとなる。特に債務整理のような分野は非弁提携の温床で、「整理屋」と呼ばれる非弁業者が弁護士事務所を乗っ取り、依頼人に支払われるべきお金を使い込むケースが後を絶たないという。  

 前出の松永弁護士が続ける。

「過去には整理屋と組んでいた弁護士が、多くの債務整理を受任しておきながら、事件に手を付けず、依頼人のお金が消失してしまった事件がたくさんあります。事件が発覚したものの、その直後に弁護士が死亡し、整理屋に始末されたのではないかなどと噂されたケースさえあります」

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 さらにはCMを派手に流しているような有名弁護士事務所にも、非弁提携の噂はある。 「テレビCMもバンバン流しているような弁護士法人は、ホームページもしっかりしていて、表向きキレイに見えます。しかし、オーナーが別にいるとか、『紹介屋』と呼ばれる業者から依頼人の斡旋を受けているという噂が流れていたりします。仮にそうであるとすれば、いずれも非弁提携となります。また、仕事が雑なところも少なくありません。例えば、過払金が満額取り戻せるはずなのに、ひどい場合には本来取れる金額の2割程度しか取れなかったりするケースもあるのです。  

BusinessJournal編集部

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