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再編後をにらんだ上限金利緩和の動き

アコム、アイフル株価上昇?消費者金融破綻・整理の最終章

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 この10年間で消費者金融大手の淘汰、再編が進んだ。アコムは三菱UFJフィナンシャル・グループの子会社となった。プロミスは三井住友フィナンシャルグループ(FG)の100%子会社となり、7月1日付で、SMBCコンシューマーファイナンスに社名を変更。三井住友FGの消費者向けの金融事業の中核会社として新たなスタートを切った。独立系だったアイフルは、私的整理の一種である事業再生ADR(裁判外紛争解決手続き)が成立し、メインバンクの住友信託銀行(現・三井住友信託銀行)主導で再建が進められている。

 唯一、銀行の傘の下に組み込まれなかったのが武富士だ。会社更生法を申請したが、再建をめぐって迷走。スポンサーに決まっていた韓国企業が資金不足で撤退するなど混乱した。その後、11年末に中堅ノンバンクのJトラスト(東京・港区)が新しいスポンサーに選定された。Jトラスト社長の藤澤信義氏は、同社の48.6%を保有する筆頭株主で、現在、ネオラインホールディングスグループを率いている。かつてネオラインの資金スポンサーだったのが破綻した日本振興銀行で、同行の木村剛・元会長と藤澤氏は盟友関係にあった。

 Jトラストは、武富士の事業を会社分割方式で取得。3月1日に、252億円の買収資金を払い込み、武富士の社名をTFKに変更し、グループで商工ローンを手掛けるロプロ(旧・日栄)が事業を継承した。ロプロは旧武富士の顧客基盤を生かし信用保証業務を行う。

 信用保証業務への転換は、破綻した消費者金融会社を次々と買収してきた藤澤氏の得意技だ。これまでのように消費者に直接、貸し付けはしない。借り入れの申し込みがあると提携している銀行と共同で与信審査を行い、融資可能と判断した顧客には銀行が貸し付ける。その貸付金にJトラストが保証を行い、保証料を受け取るというビジネスモデルだ。西京銀行で成功したことから、西京銀行モデルと呼んでいる。武富士改めTFKは保証業務で十分ペイできると踏んでいるのだ。

 武富士を除く大手は銀行系列に組み込まれた。中堅はあらかた破綻、廃業に追い込まれた。それらの屍を乗り越えて、銀行の支配下に入った消費者向け金融会社が新たな儲け話に群がる。

BusinessJournal編集部

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