太陽光の10倍!?経産省「再生エネ“本命”は洋上風力発電」

課題は国際標準化への対応

　だが、浮体式についても、国際標準化のつばぜり合いがすでに進行している。

　陸上風力発電機と洋上の着底式については、欧州がリードしたIEC（国際電気標準会議）で国際標準が決着済み。さらに浮体式についても10年3月に韓国が国際標準化をIECに提案、昨年9月から韓国のリードで議論が進んでいる。ここでも、わが国は出遅れている。

　流れが固まりかけている浮体式の国際標準化に、わが国は最後発で関与しようとしているわけだが、その議論にどれだけ影響を与えられるかは疑問視する向きが多い。「国は、今回の実証研究を、その起死回生策にしようともくろんでいる」（産学チーム関係者）ようだが、国際社会でこんな楽観論が通用するのだろうか。

　こんな問題も背景に、今回もにわか仕込みで始まった実証研究の行く末が注目される。
（文＝福井　晋）