西友・マルエツ・イオン、割引&ポイント還元で最大限“おトク”になる方法
ただ、むやみにクレジットカードやポイントカードを使えば安くなる時期は終わりました。これからは、どういう方法で買い物すれば安くなるのか、よく計算しなければなりません。
大手スーパーはクレジットカードを利用して買い物するだけでポイント還元をしていましたが、これらのサービスは段階的に終了しています。キャッシュレス普及活動はひと段落し、スーパーも利益を出さなければならないフェーズに入りました。
西友、マルエツ、イオン
例えば西友では、提携しているウォルマートカードセゾンのクレジットカードを使って買い物すると「いつでも3%割引」は維持、6月は第1土曜日と第3土曜日の5%割引はコロナで集客が増えないよう休止されます。土曜日しか買い物に行けない人は、2%分の損をすることになります。
マルエツでも、Tポイントカードはこれまでと同様に200円ごとに1ポイントたまるのは変わりませんが、OMCカードのご優待デー(毎週日曜日5%割引)、わくわくポイント2倍デーは2月から順次なくなっています。
イオンは、ポイントがつくWAONポイントカードがありますが、4月からは現金での支払いの時のみしかポイントがつかなくなりました。これまで通り200円ごとに1ポイントですが、電子マネーやクレジットカードで払う際にはポイントがつかなくなり現金専用になりました。お客様感謝デーやボーナスポイントも割引対象外となるので注意が必要です。
それでも安く買うなら
こうしたなか、少しでも安く買うなら、西友の場合はネットスーパーの利用者ならウォルマートカードセゾンを利用すれば「毎日2%割引」でポイントもつきます。
イオンカードはSuicaやイオンETCカードなどと提携した60種類以上のカードがありますが、利用頻度が多いものを選ぶとポイントが増えることになります。相対的にはイオンカードセレクトがお得ですが、55歳以上ならGGカードというものがあり、G・G感謝デーは毎月15日に5%割引になります。クレジットカードで払うと付加される「ときめきポイント」は、毎月10日に買い物すると200円で2ポイントと2倍になります。1000円の買い物で10円割引と考えれば1%割引になります。
マルエツでもOMCカードが使えなくなった代わりに、マルエツカードとしてVISA、イオンと提携し、マルエツ、イオングループの店舗でクレジットで買い物すれば、ときめきポイントとしていつでも2倍になり、200円で2ポイントたまります。マルエツでは、そのクレジットカード払いでは毎月1日、第3金曜日は5倍、日曜日は5%OFFです。1社では利益が出づらいのでイオンと2社での共同化による戦略で顧客の拡大を目指しています。
まだ、“何とかペイ”などには抵抗がある方は、ひたすらクレジットカード利用で安くなる方法を考えなければなりませんが、サービス対象日に買い物に行けない人もいます。
メリット・デメリット・注意点
スーパーにとってはクレジットカード利用の顧客が増えると、数%の手数料を払わなければなりません。ですが、それ以上に1)クレジットカードの利用客の単価が高い、2)レジ店員の人手不足の解消により回転率が高くなる、3)会員顧客の獲得、顧客情報のマーケティング調査ができるなどのメリットがあります。
他方、クレジットカード会社にとってみれば、年会費や加盟店からの手数料がカード会社の利益になりますが、買い物しすぎて今月返済ができず利息の高いリボルビング払いで返済する人もいるので、利益率は上がります。カード会社は、とにかく顧客獲得がすべてであり、店頭での契約者獲得数に応じて小売店にインセンティブを支払うところもあります。
消費者にとってみれば、新規にクレジットカードの申し込みをすると自動的にリボルビング払いに設定されているケースもあり、契約書に記載された支払い方法の内容には注意が必要です。
企業の戦略を知り自分の消費動向に気づけば節約できる?
クレジットカード普及にともないカード会社のマーケティング戦略も、従来のセグメンテーションからペルソナマーケティング手法に変化しています。
セグメンテーションとは、顧客となるターゲット層を決めるために市場・顧客を細分化することで、「地理的変数」(場所、宗教、経済発展など)、「人口動態変数」どの地域にどういった家族構成の世帯が多く住んでいるか)、「心理的変数」(定期購読の雑誌や通う習い事などのライフスタイル、感性)、「行動変数」(買い物の際の行動パターン)があります。例えば、化粧品メーカーではこの手法によってアラフォー世代(40歳前後)の未婚女性の売上を2倍にした例があります。クレジットカードでも女性専用や学生専用のものなども発行されています。
それに対してペルソナマーケティング手法では、具体的に一人の人を対象に年齢、住所、職業、収入、趣味、思考などを明確化します。例えば「代官山に住んでいる27歳」「広告代理店に勤務している独身男性」「毎月購読しているファッション雑誌は MEN’S NON-NO」「スポーツジムには通わず毎週末ゴルフをしている」Aさん、というふうにします。今やクレジットカード会社のメールマガジンの多くはペルソナ方式で、多様化する顧客の需要にこたえるためを細分化しています。
顧客情報の取得が容易になった今、何かを購入するとそれに近い商品の紹介がメール等で送られてきます。消費者側は自分の興味のある広告が来たと思えば注意することです。企業のマーケティング戦略を知れば、自ずと節約しようと注意するでしょう。例えばG-shockの時計を買った人にROLEXの時計のメルマガ広告はこないでしょう。同じメーカーの種類の付属品や類似品の紹介をしたほうが購入につながります。商品を購入したばかりの人は「買ったけど合わなかった、違う色がよかった」と悩む人も多く、購入直後も、再度、別の類似品を購入することもあります。節約したい時は、こういう戦略に乗らないことです。
銀行手数料も上がるから管理強化で倹約を
電子マネー利用が増えると銀行やコンビニのATM(現金自動預け払い機)も不要になり減少し、その手数料も上がります。ゆうちょ銀行のATM電信振替料金は、これまで無料だったのが100円になり、振替受払通知票等郵送扱いも無料から1通110円になりました。広島銀行も自行間のATM振込手数料が無料から110円になりました。ネット銀行での送金をする場合は無料です。
ATMで現金を引き出すと手数料を取られるので、クレジットカード利用のほうがお得ですが、出費が増えてしまう懸念もあります。低所得者層のほうが現金派が多いのも、使い過ぎを心配しているからです。私の場合は駅でSuicaに5000円をチャージして、キャッシュレス5%還元店を利用していますが、5000円でなるべく1週間もつように心がけています。スマホでも現在地からキャッシュレス還元店を探すことができます。現金とクレジットカード、ポイントカードをうまくあわせて節約しましょう。
近著 「最近の企業不祥事」出版社: 税務経理協会 (2020/4/17)ISBN-10: 4419066962