auスマホで貯まるPonta、ドコモdポイント、最大15%還元のPayPayをお得に使い倒す方法
コロナ禍の外出自粛で利用機会が増えたネット通販。そこで存在感を放つのが「ポイント」だ。景気の先行き不安ななか、ポイントを使ってショッピング代金を節約したいと考える人は多い。
かつてを振り返れば、もともとポイントはネットショップが独自でつけるものだったのが、楽天スーパーポイントのようにECモールで等しく付与されるポイントに代わり、さらにTポイントやPontaなど、リアルな店舗でも使える共通ポイントへと集約していく。
共通ポイント化することにより、街中の店舗で貯まったポイントを使って通販サイトで買い物ができるという双方向性が生まれ、ネット内だけで使われていた楽天スーパーポイントも、今ではその仲間入りを果たした。
とはいえ、ポイントにも弱みはある。原則として、ショッピング(あるいは該当サービスの利用)をしないと付与されない点だ。そこで各社はクレジットカードを発行することで、ネット以外でカード決済をしてもポイントが貯められるようにした。
また、カード保有者にはポイント還元率の上乗せサービスも行ってきた。しかし、近年はポイント界に、さらに別のプレイヤーが登場している。携帯電話事業者がポイント戦略に本腰を入れてきているのが、そうだ。伏兵、いやポイントの主役は彼ら携帯キャリアといってもいいかもしれない。
au WALLETポイントがPontaに統一
5月21日より、KDDIが提供するauスマートフォン・携帯電話の利用に応じてPontaが貯まるようになった。スマホ決済のau PAYや、映像配信・電子書籍・音楽サービスなどの利用でも貯められる。これまでスマホユーザーに付与してきたau WALLETポイントがPontaに統一された形だ。auとPontaの会員IDを連携すれば、これまでカードなどで貯めていたPontaがauサービスでも使えるようになった。
携帯キャリアの強みは、毎月その利用に応じてポイント付与ができることだ。ポイント戦略で先行するNTTドコモはdポイント、ソフトバンクはTポイントを武器にしてきたが、ここでauもPontaという強いカードを手に入れた。そして、この先、ネット通販でトクしたいと考えるなら、自分のキャリアが提供している“優遇”を見逃す手はない。
ドコモは毎週金・土曜日を「d曜日」と称し、ネットショッピングにd払いを使えば2%のポイントを必ずプラス、3サイト以上のショップを買い回ると5%プラスになる(エントリーが必要)。中でも、d払いの強みといえばAmazonで使えることだろう。最初に支払設定が必要だが、貯まっているdポイントを使ったり、d払いで支払いができたりするのだ。
さらに、「ドコモのギガプラン」(5Gギガホ、5Gギガライト、ギガホ、ギガライト)に契約しており、dポイントクラブ会員の利用者(一部除外あり)なら、Amazonプライム特典が1年無料で利用できるというキャンペーンも実施。このプライム特典を使い、Amazonでd払いを利用すると、dポイントが3倍還元になる(2021年2月28日まで)。Amazonユーザーならメリットは大きいだろう。
ただし、このAmazonプライム特典は無料期間終了後は自動更新となる。その場合、もちろん会費は自己負担となるので、“うっかり更新”を避けたい場合は、プライム会員情報の管理画面で「更新前に知らせを受け取る」をチェックしておこう。それなら更新の3日前にメールが届く。
なお、1月にドコモはリクルートとの業務提携を発表した。互いのユーザーIDを連携すれば、「じゃらん」「ホットペッパーグルメ」など、リクルートの12のウェブサービスを通して予約した店舗の利用でdポイントが貯まるようになるという。
Pontaを使うなら「au PAY マーケット」で
リクルートのポイントは現在Pontaと等価交換できるのだが、dポイントとの棲み分けは今後気になるところだ。先に書いたように、Pontaはauのケータイで貯まるポイントとなった。
そして、そのPontaをもっとも有効に使えるのは、au自前のネットショップモールである「au PAY マーケット」だろう。Pontaポイントをau PAY マーケット限定ポイントに交換すると増量となり、さらに7月2日まではPonta会員IDとの連携でポイントが当たるキャンペーン中だ。また、Pontaを使ったふるさと納税もできる。
むろん、Pontaはリクルートの「ポンパレモール」で使えるので、auユーザーがケータイ料金で貯めたポイントで買い物するのもありだ。ポンパレモールは楽天などと比べると存在感は地味だが、誰でも3%のPonta還元をしてくれる太っ腹なモールだ。この先、リクルートはドコモとの提携でポイント戦略を変更するかは不明だが、付与されたPontaを有効に使ったり貯めたりしたい人にはポンパレモールもおすすめしておく。
ソフトバンクならPayPayは最大15%還元に
dポイントもPontaも、ネットショッピングの支払い以外に各キャリア・スマホ決済の原資としても使える。dポイントはd払い、Pontaはau PAYというように。しかし、スマホ決済のトップランナーはなんといってもPayPayだろう。
次々と高還元率のキャンペーンを打ってきたPayPayだが、ソフトバンクのスマホユーザーには、これまでも還元率の上乗せ優遇をしてきた。さらに、Yahoo!ショッピングの「5のつく日」で付与されていた期間固定TポイントはPayPayボーナスライト(期限あり。支払いには使えるが、現金として出金・送金はできない)へ変わった。
他社のようにソフトバンクの利用に応じてTポイントはつくが、それよりもキャンペーンではこまめにPayPay残高を進呈することで、スマホ決済をどんどん使ってほしいのだろうと推察する。
とはいえ、ケータイ利用者へのネットショッピング優遇は手厚い。ソフトバンクユーザーは会費を払うことなくYahoo!プレミアム会員の特典が使える。Yahoo!での買い物でTポイントとPayPayボーナスライトを併せていつでも5%還元となる(2020年7月以降は還元率が3%に下がる予定)。
さらに、毎週日曜日なら最大16%還元にもなるという。内訳はストアポイント1%(Tポイント)、Yahoo!プレミアム会員特典の+4%(PayPayボーナスライト)、PayPay残高での支払いで1%(PayPayボーナス)、ソフトバンクスマホユーザー用の+10%(PayPayボーナスライト)となっており、スマホユーザーであればPayPayで使えるポイントが15%も稼げる仕組みだ。これも7月以降はやや付与率は下がるが、ユーザー特典を利用しない手はないだろう。
それにしても、やたらにPayPay残高ばかりが貯まる仕組みではないか。他キャリアがポイントを使ってほしいとじゃんじゃん付与する姿勢に比べ、ソフトバンクはPayPayの利用を促したいのはこれを見ても明白だろう。
しかし、それも悪い戦略ではない。新型コロナの影響でキャッシュレス決済の普及には弾みがついている。キャッシュレス+ポイント×EC=携帯キャリアの構図とでも言おうか。自分の携帯キャリアを軸にすることで、ネットでもリアルでもオトクに買い物ができる時代が到来した。
そしてもうひとつ、第4の携帯キャリアとしての楽天が控えている。コロナの影響もあり、楽天モバイル事業については粛々と進めるとの姿勢だが、なんといっても累計ポイント1兆超えの楽天スーパーポイントを武器にしないはずがない。今後を楽しみに待ちたいところだ。
(文=松崎のり子/消費経済ジャーナリスト)
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