NHK受信料、利息なしで延滞が可能に!ドコモら携帯キャリア、電話料金の支払猶予を延長
新型コロナウイルスの影響で収入が減ってしまった人が使える「免除」や「猶予」は、「国や地方自治体に申請するお金」だけではありません。今回は、「民間企業で扱っているお金」について見ていきましょう。
電気・ガス各社は支払延期の要請に対応
電気会社やガス会社は民間企業なので、料金を免除するということはなかなかできません。ただ、政府も、料金が支払えない人のためになんらかの対策を取るように要請しています。要請に応じているのは以下の団体なので、ホームページなどで調べてみましょう。
●電気事業者/https://www.enecho.meti.go.jp/coronavirus/pdf/list_electric.pdf
●ガス事業者/https://www.enecho.meti.go.jp/coronavirus/pdf/list_gas.pdf
ちなみに、今は電気もガスも自由化されていて、電話一本で面倒な手続きなどもなく、電力会社やガス会社を変えられるようになっています。そのため、サービスが悪いとか料金が高いと思ったら、乗り替えるというのもひとつの方法でしょう。
NHK受信料も利息なしで延滞が可能に
NHKでは、新型コロナの影響で経済的に苦しくなって受信料を支払えなくなった人を対象に、相談窓口を設置し、個別の対応をしています。どうしても払えない場合は払えるようになるまで待つということもしているようで、2020年4月から2021年3月までの間については、受信料の支払いを延滞しても延滞利息は発生しないことになっています。
電話料金の支払い猶予を6月末まで延期
新型コロナの影響で電話料金の支払いが困難になっている人に対して、通信各社が携帯電話や固定電話の料金の支払い延期に対応しています。電話料金をコンビニ払いなどにしているけれど家から出られないという人も多いので、当初は連絡があった人は5月末まで支払い猶予するということでしたが、これを6月末までに延ばしています。楽天モバイルと楽天コミュニケーションズでは、5月末までとしていた利用料金の支払い期限を7月末まで延長しています。
また、25歳以下の学生向けに一定額まで無償でサービス提供するという会社が、かなりあります。たとえば、NTTドコモは、全国の学校などで遠隔授業やオンライン学習が進められていることを踏まえて、25歳以下で対象の料金プランを契約している人を対象に、利用分の「1GB追加オプション」や「スピードモード」を50GBまで、6月末まで無償化しています。大学などのオンライン授業が長引けば、さらに延長する可能性もあります。類似のサービスを行っている事業者は多いので、25歳以下の人は確認してみるといいでしょう。
生命保険料の支払いにも6カ月の猶予が
すでに、この連載で詳しく説明していますので、興味がある方はそちらで見ていただくといいと思いますが、新型コロナの影響で収入が激減し、生命保険料が払えないという人に対して、生命保険各社は6カ月の支払い猶予期間を設定しています。
また、生命保険は基本的には入院や通院をしなくては給付金が出ませんが、保険の加入者が新型コロナに感染した場合は、医師の診断があれば自宅療養でも給付金は出ます。また、死因が新型コロナだった場合は通常の保険の不慮の死の扱いになって、「災害割増特約」が出ます。たとえば、死亡保険金が1000万円で災害割増特約が1000万円の契約だと、新型コロナで死亡した場合は2000万円が支給されることになります。
また、かんぽ生命保険には「倍額支払制度」があり、その中には「コロナ肺炎」も含まれているので、死亡保険金が倍増します。
(文=荻原博子/経済ジャーナリスト)
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