生命保険は“掛け捨て&ネット”で入るべき!利率のわりにお金が増えない貯蓄型保険の罠
新型コロナウイルスの影響で仕事や収入が減るなどして、この機会に家計を見直している人も多いと思います。節約の第一歩となるのが保険です。
これから新しく保険に入るという人は、インターネットで入ると保険料が安くなります。人が販売する保険は人件費がかかりますから、そのぶん高くなります。けれど、インターネットで自分で加入する保険は、人件費がかからないので料金が安いのです。
ただ、そんなことで大丈夫なのだろうかと心配になる方もおられると思いますが、インターネットの保険会社も生命保険協会に加入していますから、ネットでない会社と同様に守られます。そもそも、生命保険の保険料は日本人の平均的な死亡確率や入院確率から算出されています(厚生労働省の生命表や患者調査)。同じデータを使っているので、保障部分の保険料はみんな同じ。
では、なぜインターネットの保険が安くて、そうでない保険が高いのかといえば、ネットでないと人件費などの経費が高くつくからです。生命保険は、アフターフォローのない商品です。死んだら死亡保険金が出る、入院(通院)したら給付金が出るというだけのもので、死亡したか入院したかは自己申告。契約者側で死亡証明書を取り寄せたり入院証明をもらったりして保険会社に申告しないと、保険金や給付金は出ません。
つまり、自分でやらないとお金がもらえないのですから、アフターフォローがないということでしょう。だとすれば、一番安い保険を選ぶことが大切。それには、ネットで、同じ保障内容ならもっとも保険料が安いところを探すべきです。
生命保険は「掛け捨て」がいい理由
これから入るなら、生命保険は「掛け捨て」にしましょう。なぜなら、貯蓄型の保険に入っても増えないからです。貯蓄型の保険というのは保険と貯金をセットにしているようなものですが、この貯蓄部分の運用利回りが、現在は0.3%ほど。
0.3%といえば、銀行の預金より利回りが高いのではないかと思う人もいることでしょう。けれど、保険と預金では決定的に違うところがあります。預金の利息は0.01%ですが、1万円預けると、その1万円に対して0.01%の利息がつくので、いつ預金を下ろしても1万円を割るということはありません。
けれど、保険の場合は、1万円を保険料で払うと、払った保険料の中から死亡保障や入院保障などのお金が引かれ、保険会社の経費が引かれ、残りが0.3%で運用されていくので、なかなか最初の1万円に戻らないのです。
ですから、これからは「保険は保障を掛け捨てで買うもの」「貯金は現金でしていくもの」と割り切ったほうがいいでしょう。
(文=荻原博子/経済ジャーナリスト)
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