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午堂登紀雄「Drivin’ Your Life」

急増する「生活苦老人」へ転落しないために、これだけは知っておくべき情報リスト

文=午堂登紀雄/米国公認会計士、エデュビジョン代表取締役
急増する「生活苦老人」へ転落しないために、これだけは知っておくべき情報リストの画像1「Thinkstock」より

 今後、65歳を迎えて「NINJA」になる人が急増するといわれています。ここでいうNINJAとは「忍者」のことではなく、「No Income, No Job or Asset」、つまり収入も仕事も資産もないことを意味します。年金支給開始年齢も70歳引き上げ説が出ているなど、無策のままで老後に突入すると、かなりしんどい状況になりかねません。そこで、私が考える現役時代からできる準備のいくつかをご紹介します。

年金対策

 まずは基本中の基本ですが、受け取れる年金の額を「ぜいたくしなければとりあえず生活には困らない」レベルにすることです。受給金額は減っていくとしても、とにかく「生涯もらえるお金」があることは、ひとつの安心材料となるからです。そこで個人事業者は国民年金に、会社員は会社の社会保険に加入しておきます。正社員は強制加入の給与天引きなので、特段意識する必要はありません。

 会社員は恵まれています。なぜなら社会保険は労使折半なので、自分の給料から徴収される金額と同じ額を会社が負担してくれるので、2倍の恩恵にあずかれるからです。夫婦ともに正社員を続ければ、将来は支給額が減ったとしても、そう困らないレベルになるでしょう。なお、40年以上の加入がもっとも有利なので、転職したことのある人などは未加入期間がないか確認し、間に合うなら払い込んで未加入期間を短くすることです。

 もうひとつ年金を増やす方法は、繰り下げ受給です。受給年齢を繰り下げれば繰り下げるだけ受給額も多くなり、長生きすることによる老後の金銭的リスクを低減することができます。現時点では70歳から受給すれば、受け取れる年金額は65歳受給と比べて4割もアップします(もっとも、自分の寿命によってはあまりお得とはならないケースもあります)。ただし冒頭でも紹介したとおり、受給年齢が引き上げられる可能性があり、将来はどうなるかわかりません。

 自営業者など厚生年金に加入していない人は国民年金だけでは心もとないですから、国民年金基金や付加年金、確定拠出年金、小規模企業共済、経営セーフティ共済などにも別途加入し、老後に受け取れる年金を増やすのが順当な方法でしょう。

午堂登紀雄/米国公認会計士、エデュビジョン代表取締役

午堂登紀雄/米国公認会計士、エデュビジョン代表取締役

 1971年、岡山県瀬戸内市牛窓町生まれ。岡山県立岡山城東高等学校(第1期生)、中央大学経済学部国際経済学科卒。米国公認会計士。
 東京都内の会計事務所、コンビニエンスストアのミニストップ本部を経て、世界的な戦略系経営コンサルティングファームであるアーサー・D・リトルで経営コンサルタントとして勤務。
 2006年、不動産仲介を手掛ける株式会社プレミアム・インベストメント&パートナーズを設立。2008年、ビジネスパーソンを対象に、「話す」声をつくるためのボイストレーニングスクール「ビジヴォ」を秋葉原に開校。2015年に株式会社エデュビジョンとして法人化。不動産コンサルティングや教育関連事業などを手掛けつつ、個人投資家、ビジネス書作家、講演家としても活動している。

Twitter:@tokiogodo

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