大学進学時に3百万円…子どもの教育費が足りない!賢い対処法はこれだ!贈与や免除も
(2)入学金・授業料の免除・減額等の制度を利用する
国公立大学の場合、文部科学省の規定や国からの支援のもと、経済的な理由で修業が困難な学生を支援するため、入学金や授業料の全額または一部を免除する制度がある。
この制度は、国の予算によって免除を許可できる枠が決定されるので、資格要件を満たした者全員に許可されるものではない。ただ、文部科学省によると、平成28年度の国立大学法人運営費交付金における学部・修士課程の授業料免除率は10.3%から10.8%まで引き上げられており、免除枠は拡大しているといえる。
この制度を利用するには「学力基準」と「家計基準」の両方を満たす必要がある。
その要件は大学によって異なり、例えば千葉大学の場合、2年次以降の学力基準は、「標準修得単位数を修得し、取得科目の平均値が2.0以上(母子家庭、生活保護世帯等は平均値1.9以上)」となっている。同大学では学業成績の評語「秀」「優」が3.0、「良」が2.0、「可」が1.0というから、平均点以上でOKということであれば、それほどハードルは高くなさそうだ。
また、金沢大学の平成26年度実績によると、申請者数に対する全額免除の割合は、前期分41.6%、後期分39.5%。半額免除の割合は、前期分45.3%、後期分47.8%となっている。免除合計の全体でみると申請者の85%以上が、いずれかの免除を受けている。
国立大学の平成29年度の入学金は28万2000円、授業料は53万5800円である(大学によって、設備や実習、諸会費等が別途かかる)。4年間の授業料だけでも200万円以上かかり、これが免除されるのであれば、家計の負担はかなり軽減できるだろう。
授業料減免制度の申請時期は各大学で異なるが、新入生は入学手続き時、2回目以降は次の期がはじまる2か月前~直前が一般的だ。申請期間の少し前から学内の掲示板や学生用のウェブサービスで告知されるのでこまめにチェックしておきたい。
それでは、次回は後編として(3)(4)(5)の方法についてご紹介しよう。
(文=黒田尚子/ファイナンシャルプランナー)