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中村芳子「お金のことで苦労せず、人生を楽しむためのお金の基本」

銀行ATM手数料「貧乏」の怖さ…一生で100万円以上も、家賃振込は1回で648円

文=中村芳子/アルファアンドアソシエイツ代表、ファイナンシャルプランナー

銀行手数料はゼロが基本

 手数料の基本は「銀行ATMの手数料をゼロにする」ところからスタート。お金を引き出す曜日と時間帯を決めておくと、予算管理もしやすいのでおすすめだ。私は月曜日の日中に平日使う分を、金曜日に週末使う分を引き出すようにしている。

 先に、ATMの曜日や時間帯による手数料を紹介したが、実はこの手数料、一定の条件を満たすと、一定の範囲で無料になったり安くなったりする。条件やサービスの体系は銀行によってさまざまだ。たとえば以下の条件を3つ以上満たすと、コンビニや提携ATMの利用料が月5回まで無料とか、他行への振り込み手数料が月1回無料、とかいう具合だ。

・給料の振り込み口座にしている
・公共料金の自動引き落としに利用している
・銀行発行のクレジットカードを持っている(使っている)
・定期預金の残高が50万円以上ある
・積立定期預金をしている
・投資信託の残高が50万円以上ある
・投資信託の積立をしている
・住宅ローンを借りている
 
 まずは、自分が口座を持っている銀行が、どんなサービス体系、手数料体系なのか見てみよう。うまく条件をクリアして、十分な「手数料無料」の特典を受けられるなら、すぐ、その手続きをやってしまおう。善は急げだ。

 調べてみたら、自分の銀行は意外に手数料が高い、節約できないことがわかったら、別の銀行を調べてみるといい。銀行との付き合いは、これから一生。もちろん途中で変更できるが、給与振り込み、公共料金の引き落とし、携帯電話の支払い、クレジットカードの決済、投資信託の積立など、これからどんどん、銀行口座と関係を深めることになる。関係が深くなってから別れるのはかなり面倒で、手間も時間もエネルギーも消耗する。社会人1~2年目の早いうちに、手数料の安い銀行、便利な銀行、欲を言えば、投資しやすい銀行を見極めて、これを自分のメインバンクに決めて、使いこなしたい。

 だいたいの傾向として、東京在住者はメガバンクを、地方在住者は地方銀行を、親からすすめられてゆうちょ銀行をメインバンクにする人が多いが、実は後発のネット銀行などのほうが手数料が安く、オンライン取引などの機能が充実している傾向がある。折に触れて、いろいろな銀行のウェブサイトを見て調べてみるといい。時代から取り残されているかもしれない親の意見より、5年くらい年上のお金付き合いの上手な先輩の意見のほうが、参考になるかもしれない。

 私は、メガバンクを長らくメインバンクとして使ってきたが、昨年ネットバンクに口座を開き、こちらをメインに切り替えるべく、自動引き落とし口座の変更など各種手続きをしているところだ。

 手数料を節約するには、必要な情報、正しい情報を集めて、自分で判断して行動に移すプロセスが必要。これは仕事の能力にも直結する。この過程で得る知識は、これからのあなたの仕事に直接、間接に役に立つことになる。自分のためのマネー・マネジメント・プロジェクトの第一歩と位置付けて、ぜひ実行してほしい。
(文=中村芳子/アルファアンドアソシエイツ代表、ファイナンシャルプランナー)

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中村芳子/アルファアンドアソシエイツ代表、ファイナンシャルプランナー

中村芳子/アルファアンドアソシエイツ代表、ファイナンシャルプランナー

1985年よりFP業に携わる日本のFPの草分け。 女性FP協会(現WAFP関東)の設立者の一人、初代理事長。 1991年に会社を設立。パーソナル・コンサルティング、金融記事の執筆、金融企画のアドバイスなどを行っている。マネックス証券創業時より7年間アドバイザーをつとめる。みずほ銀行の夫婦向けマネーサイト「おうちのおかね」(2010―2016)を監修。辛口だが、お金だけにとらわれないユニークで温かいアドバイスが人気。


主な著書に『50代のいま、やっておくべきお金のこと』『20代のいま、やっておくべきお金のこと』(以上ダイヤモンド社) 『女性が28歳までに知っておきたいお金の貯め方』(三笠書房) などがある。『3日でわかる聖書』『養子でわくわく家族』『神の津波』など、お金以外の著書や翻訳もある。

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