私が「50代こそ投資を始めなさい」と言う理由…すぐできる“保守的運用型”投資の始め方
投資は50代から始めても遅くない
拙著『50代のいま、やっておくべきお金のこと 新版』(ダイヤモンド社)で、50代が老後に備えるためのテーマは7つある、とお話ししている。
(1)貯める……やみくもに貯めるのではなく、プランをつくって計画的に貯める
(2)働く……60歳、65歳以降もペースを落として、楽しく長く働く
(3)住宅ローン……65歳以前に払い終えるため、いろいろ工夫する
(4)生命保険……死亡保障は削り、医療保障は充実させる
(5)子どものお金……子どもにお金をかけ過ぎないことがポイント
(6)投資……増やすためでなく、守るためにも投資は必須
(7)健康……長い人生を楽しみ、長く働くために、健康に投資する。
前々回は、「投資は不可欠」という話をした。お金を増やすためだけでなく、投資詐欺にあって騙し取られたり、間違った投資法で大損したりしないために、若いうちから投資をして損する経験も大切だ。50代でまだ投資デビューしていない人は、つみたてNISAでデビューしよう。
繰り返すが、「損をするのが怖いから投資をしない」という態度は大間違いで、「損をして学ぶために」投資することが大切だ。
50代から始めても遅くない、投資の割合を増やそう
投資のテキストなどでは、「年齢が上がるにつれて、資産全体に占める投資の割合を減らしたほうがいい」と教えている。一理あるが、このセオリーは日本の50代には当てはまらない。人生100年とすると、貯めたお金を引き出して使い始めるのは70代以降にしたい。運用期間はまだまだ20〜50年ほどある。
金融資産のうち10年以上運用できる部分の50%を投資しようと私は勧めているが、これはアメリカの分類では「最も保守的」なポートフォリオとされる。アメリカの中流層のように、もともと金融資産の70~90%を投資していれば、退職が近づいたら投資を少しずつ減らして保守的にするのは意味がある。でも、投資は0~20%くらいという日本の50代なら、逆に投資の割合をどんどん増やしていくべきだ。