アルバイトを入れたけれどすぐに音信不通になった、新入社員が3日で辞めてしまったなど、離職率が下がらずに困っていませんか? でも、そのままにしておくと、3年後には倒産してしまう…ということがあるかもしれませんよ?
これは大げさな話ではありません。働き手不足で悩んでいる企業や店舗は多く、さらに採用募集のための費用はコストとして経営を圧迫します。特に中小企業はこの採用費は死活問題になるほど。スタッフが集まらないために、倒産する可能性もあるのです。
しかし、スタッフの定着率を高めるのは至難の業。「働きがい」を重視するといわれる若者たちにどう接すればいいのでしょうか?
『やる気と笑顔の繁盛店の「ほめシート」』(ディスカヴァー・トゥエンティワン/刊)の著者であり、一般社団法人ほめ育協会の代表理事である原邦雄さんが提唱する「ほめ育」マネジメントは、人材育成に悩む経営者や管理職の人たちにとって大いに参考になります。
原さんは次のようにコメントをします。
「ほめ育マネジメントの特徴は『スタッフをほめること』です。でも、ほめるだけならばたくさんの本が出ています。私の考えは、スタッフをほめて長所を伸ばし、それをお金に変えるという方法です」
原さんはもともと船井総研のコンサルタントでしたが、現場を見るためにラーメン店に転職。洗い場からスタートしたという異例の経歴の持ち主。その中で気付いたのは、経営者たちが見ていること、話していることと、現場が考えていること、話していることは全く違うことだったということでした。
経営者と現場の従業員は根本的に働く目的も違えば、持っている目標も違います。だから、コミュニケーションの齟齬が起こるのも当たり前。
「そこで重要なのが、お客様に『ほめられる』サービスを提供する目標を設定することが大事です。お客様からほめてもらうサービスをするためには、現場のスタッフたちがいきいきと、モチベーション高く働くことが大事です。そのためにやることが『ほめること』なんです。売上アップにもつながり、また働きがいがあるため仕事をやめることも少なくなります。ただ、スタッフをほめて伸ばす考え方に、絶対に必要なのが「基準」です。ほめる基準はありますか? または、叱る基準はありますか? そう問いたいですね」
この方法で100社以上の業績アップに貢献してきたという原さん。『やる気と笑顔の繁盛店の「ほめシート」』には、この考えのもと、ほめる基準を設定し、「ほめる」マネジメントを可視化する方法が書かれています。その一つである「ほめシート」はこの本を読んだ直後から活用できます。
そして、本書は中国やアメリカでも出版されており(米国は電子書籍としてアマゾンキンドルにてリリース)、高い評価を得ているといいます。
「上海の飲食チェーンから講演の依頼がきたり、東南アジアの企業から研修をお願いされたりするなど、『ほめること』の重要性は世界共通だということが実感できました」
世界に広がる「ほめる」ことの重要性。すぐ社員が辞めてしまう、なかなかスタッフが定着しないといった状況が続くと、経営自体に大きな影響が及んでしまいます。そうならないためにも、原さんの「ほめ育」マネジメントを実践してみてはいかがでしょうか。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。