“カトパン”の愛称でおなじみの人気フリーアナウンサー・加藤綾子さん。
そんな彼女がはじめて書いたビジネス書『会話は、とぎれていい ―愛される48のヒント』(文響社刊)が話題です。
本書は加藤さんが、明石家さんまさん、タモリさん、笑福亭鶴瓶さんなど、超一流のコミュニケーション能力を持つ人たちと接する中で学んだ「愛されるヒント」をまとめた一冊です。
一つエピソードをご紹介しましょう。
あるとき、福山雅治さんのインタビューをしていた加藤さん。急に福山さんから「加藤さん、今の話聞いてました?」と言われ、とても恥ずかしい思いをしたそうです。
このとき加藤さんは「このあとはこれを聞いて最後はこう締めよう」という段取りを頭の中でしており、話を聞きつつも「心ここにあらず」だったのです。
一方で阿川佐和子さんがビートたけしさんにインタビューをした際、たけしさんがしきりにおしぼりを使うのを見て、何気なく「おしぼりはいつもお持ちなのですか?」と聞いたそうです。すると、たけしさんは当時バイク事故から復帰された直後であったため、実はまだ顔にしびれが残っていて、おしぼりでぬぐわないと涙が出続けてしまうという話をしてくれました。
元々聞こうと思っていたことに固執せず、目の前の気になったこと自分のアンテナに引っ掛かったことを大切にすることで、想定していなかった話を聞く事ができたのです。
多くの人はインタビュアーになる機会はないかもしれません。
しかし、普段の会話であっても「言いたいことをすべて言いたい」という気持ちが先行するあまりコミュニケーションが上手くいかなかったり、自分の思い描く会話の着地点へ到達できず、もどかしい思いをする事があるでしょう。
「想定通りの流れで話を進めたい」という思いが強いほど、魅力的なコミュニケーションからは遠ざかってしまうのです。
加藤さん自身もインタビュー中に脱線した時ほど終わった後に、「いい話ができた」「楽しかった」と言ってもらえることが多いといいます。
冒頭の福山さんの例のように、加藤さんは自身の失敗談を隠さず披露しています。
本書の副題である『48の「愛されるヒント」』の中には『自分の「失敗」を楽しく話せる人が愛される』というものがあり、まさに本書に書かれているヒントの数々は加藤さんが実践してきた事なのかもしれません。
本書を通じて、超一流のコミュニケーション能力をもつ人たちが愛される秘密を学んでみてはいかがでしょうか。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。