会社員はどんなに一生懸命はたらいても裕福にはなれないということに薄々気づいている人は多いはず。とはいえ、「会社員をやめて起業だ!」と思い切った決断ができる人はそういません。
「今の会社はやめたくない。でもお金持ちになりたい」そう望む人に向けて、『とにかく妻を社長にしなさい 超実践編』(サンマーク出版/刊)の著者・坂下仁さんは「プライベートカンパニーを作る」という方法を提案します。プライベートカンパニーとは、あなた専用の法人のことです。
坂下さんは、まず「『自分自身がお金持ちになる』という発想を捨て、『妻をお金持ちにする』という発想に頭を切り替える」ことを訴えます。その上で、妻をプライベートカンパニーの社長に据えることを提案しているのです。
「法人を作る」と聞くと身構える人もいるでしょう。
今は、自分で合同会社を作る場合、住民基本台帳カードの発行や電子証明書登録、ネットでの登記申請、事前準備含めて、面倒そうに見える申請手続きは3時間程度あればできてしまうといいます(2015年4月現在)。また、「会社設立ひとりでできるもん」というウェブサービスを利用すれば、6万5,000円ですべての手続きが完了できます(2015年4月現在)。坂下さんは「ネットで検索してヒットした行政書士のサイトを参考に見よう見まねでやってみたのですが、それほど苦労をせずにできてしまいました」と感想を述べています。
これほど簡単に作れる上に、定職に就いていることで得られる“安定”と“信用”を確保したまま副業に取り組めるとなれば、この仕組みは実践すべきです。
では、妻をプライベートカンパニーの社長にすることで、どんなメリットを得られるのでしょうか。前著『いますぐ妻を社長にしなさい』(サンマーク出版/刊)には、「『税制の壁』がないことで、私たちサラリーマンからすると『ありえない!』と言いたくなるような驚異的な節税ができてしまいます」と書かれていました。
本書では、さらに一歩踏み込んで、節税のメリットを解説しています。
■プライベートカンパニーなら、あれもこれも経費になる?
個人事業と比較すると、節税の観点からプライベートカンパニーがいかに有効なのかが分かります。
そもそも、税法という法制度が個人事業に対しては厳しいのに、法人に対しては寛容です。例えば、個人事業だと経費として落とせないのに法人だと経費扱いになるというものが実に多いのですが、法人であれば、社長に支払う役員報酬、出張手当、福利厚生費はすべて経費になります。個人事業ではいずれも経費にはなりません。税金は利益に対してかけられるものなので、経費を多く計上できる法人は、その分はらう税金は少なくてもすむのです。
でも、会社を作るわけですからある程度ビジネスとして成功しなければいけません。この場合、どのようなビジネスを手がけるのが望ましいのでしょうか。坂下さんは長続きさせることが重要とした上で、「自分や家族の趣味・特技を副業にするのがよい」としています。