初対面の相手、苦手な上司、手柄話や苦労自慢が多い人……。どんな人とも如才なくコミュニケーションを取るのが社会人のたしなみとはいえ、苦手意識を持った人との会話は弾まないもの。
しかし、そういった相手といい関係を築くことでプラスになることも多い。苦手意識を克服できるなら、しておいた方が自分のためである。
■ホメるバリエーションが会話のキモ
『できる大人の人間関係 1秒でくすぐる会話』(話題の達人倶楽部編集、青春出版社刊)は、相手をその気にさせるフレーズをはじめ、喜ばせるのに必要な心理テクニック、経験的なハウツーなど、大人なら知っておきたい会話の知識と技術を紹介する。
初対面の相手でも、すぐに打ち解け、雑談を弾ませ、人間関係を好転させるなど、時と場合と相手に合わせて良い関係を築く会話力を本書では「相手をくすぐる会話力」と呼んでいる。この会話力を身につけるのに必要とされるのは「バラエティに富んだほめ言葉のストック」と、「その語彙力を自在に生かす会話術」の2つだ。
たとえば自慢話が多い人が、どんな人でも周りに一人はいるはずだ。一見面倒に思えるこのタイプには、どのような褒め言葉を使えばいいのか。いくつか挙げていきたい。
・「なかなかできないことですよ」
自慢話をする相手は考えようによっては、話しやすい相手ともいえる。聞く方はあいづちを打っているだけで、相手がどんどん話してくれるからだ。たわいのない自慢話に対しては「いやいや、なかなかできないことですよ」と応じればいい。
・「私などには、とうてい真似できません」
年配の人の自慢話を聞く場合、「ご立派ですね」とほめると、言い方によっては生意気と受け止められることも。「とても真似ができない」とへりくだれば、効果的に相手の気分を良くすることができる。
また、苦労話をする人も多い。そんな相手との会話では、以下のような返し方が有効的。
・「ほう、それは大変でしたね」
苦労話に対しては、労をねぎらうあいづちが効果的と本書。気の毒そうな顔で「ほう、それは大変でしたね」と繰り出せば、相手は共感されていると感じ、話を続けやすくなるはずだ。また、「苦労話=自慢」であることが多いので、「すごいですねえ」「なるほど」などのあいづちも有効な場合もある。
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自分が相手を苦手にしていることは相手に伝わっているもの。それが会話が弾まない理由になってしまっていることもある。ならば積極的に相手を楽しませることを目指してみてはどうか。相手が気持ちよく話すことができれば、相手から見たあなたの印象が変わるかもしれないし、あなたにも相手の別の一面が見えるかもしれない。
相手をくすぐる会話力を身につけて、コミュニケーション力アップにつなげれば、職場や取引先での会話にも困らないはずだ。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。