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年収1500万円でも「悩ましい」医師が急増!当直拒絶し「自分探し」に迷い込む

構成=編集部
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勤務医の年収相場は1500万円

–なぜ、そういった悩める医師が増えているのでしょうか?

中村 2004年から医師臨床研修制度が導入され、医師になって最初の2年間は主要な診療科をローテーションすることになりました。それ以前は、医師免許取得後はすぐに専門の診療科に進んでいたのですが、いろいろな科を見ることで、悩みが増えたようです。

 また、医学部には「医局」という独特の組織があり、ほとんどの医師が「入局」していました。医局は、大学内だけでなく一般病院の人事権まで握っていましたが、近年は入局しない医師も増えています。選択肢が増えた分、主体的に考える必要が出てきたため、我々のような第三者的視点が求められるようになりました。

–医師の給料は高いというイメージがあります。

中村 病院に勤める勤務医は年収1500万円、自分でクリニックなどを経営する開業医は同2500万円が目安といわれています。特徴的なのは、アルバイトをする医師が多いことです。時給1万円が相場とされ、1日働けば8~10万円になります。

 一方、医師の中には「この給与じゃ、割に合わない」と感じる方も多いです。大学病院は給与水準が低く、脂の乗った30代後半で年収900万円というケースもあり、民間病院への転職をお手伝いしたら1600万円に跳ね上がったことがありました。一昔前は年収3000~4000万円という高額の求人もありましたが、現在は上限が2000~2500万円に落ち着いています。その一方、全体的な水準は上昇しているようです。

–今回、このような本を書かれたのはなぜでしょうか?

中村 まずは医学部を目指す中高生、そしてその保護者に読んでほしいという思いからです。ミスマッチとはいいませんが、医師になってからいろいろな悩みに直面する人も多いのが現状です。事前に、「医師という職業はどのようなものか」を知っておくことで、より良い医師になれると思います。

 また、医師や医学部と関係のない人にも読んでほしいと思っています。医師といえば、色眼鏡で見られることも多いですが、例えば「自分がお世話になっている先生は、こんな経験をしたり、こんな悩みを抱えているのか」と知る機会になればうれしいです。

–中村さんは、日々多くの医師と接していますが、良い医師の特徴などはあるのでしょうか?

中村 一般的にいわれることですが、電子カルテばかり見ている医師は、よくないと思います。逆に、いい意味でよく「触ってくれる」、つまり触診をしてくれる医師は、患者と向き合い、丁寧な診察をしてくれるでしょう。

 また、これは個人的な感触ですが、人口に対して医師数が多い県は、ほかの医師との競争もあり、医師として洗練された方が多いような気がします。特に京都は関西気質でざっくばらんにコミュニケーションが取れる上、医師数が多いので、京都に住む方は恵まれていると思います。
(構成=編集部)

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