イクメンという言葉をよく聞くようになったが、実際、仕事や地域活動に忙しくて、子どもや家族を犠牲にしてしまっていると悩むお父さんは多いかもしれない。しかし、父親が仕事や地域活動を頑張る姿を見せることは、子どもにとって大切なことでもある。
『父親業! 「仕事か、家庭子か」で悩まないビジネスマンのルール』(中山和義/著、きずな出版/刊)では、多忙な毎日のなか、自分も家族も幸せにしたいと願うビジネスマンのために、子育てに大切な51のポイントを紹介している。
子どもは自分が育った家庭をお手本にし、大人になったとき、父親がしてくれたことを思いながら新しい家庭をつくっていくものだ。では、今、子ども、家族に対してできることは何か。絆をつくるためにも家族のルールを決めるというのもひとつの方法だ。
たとえば、家族写真をリビングやダイニングに置いてみる。子どもに家族の大切さを教える意味でも、家族で撮った写真をみんながいつも見えるところに飾っておく。写真を飾ることで、子どもが愛されていることを感じてくれるし、自分が家族の一員であることを意識してくれる。父親自身にとっても、写真を見るたびに、それを撮ったときのことを思い出して、幸せな気分になったり、家族のためにがんばろうという気持ちになるだろう。
日本の風習や地域の伝統行事を家族で大切にすることは、子どもに生まれ育った地域を好きにさせることにもつながる。お正月に、お年玉をあげて、家族で初詣に出かける。節分には、父親が鬼の仮面をかぶって、豆まきをする。というように、季節に合わせた習慣や伝統行事を、家族で楽しむ。毎年、家族で楽しむ行事は伝統となり、そのことを引き継いでいくことで家族の文化が育てられる。そして、家族の絆も深まることになる。
家族の行事は子どもにも引き継いでいきたいが、絶対に断っておきたい習慣が、子どものしつけに体罰を使うことだ。体罰を使って育てられた子どもは、自分の子どもにも同じように体罰を与えてしまう可能性が高いからだ。もしも、父親から体罰を受けたという人がいたら、必ず自分の代で、その連鎖を断っておかねばいけない。
腕力で子どもをコントロールしようとすると、子どもは「力をもてば相手を自分の思うように動かしていいんだ」ということを学習してしまう。子どもにしてみれば、親がしてきたことを、今は自分がやっているだけと思ってしまう。子どもは自分が育てられたように、自分の子どもを育てる。どんなことがあっても、体罰を使って子どもをしつけてはいけないことを忘れてはいけない。
仕事や地域活動に忙しい中でも、父親にできることは何か。子どもはいつも親のことを見ていて、父親の行動が子どもに大きな影響を与える。そういうことをしっかり自覚しながら、今、家族にできることをしっかり向き合ってやることが大事なのだろう。
(新刊JP編集部)
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※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。