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韓国、突起付きコンドーム売ると懲役!政府「刺激を感じることを憂慮」

取材・文=河鐘基
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韓国、突起付きコンドーム売ると懲役!政府「刺激を感じることを憂慮」の画像1「Thinkstock」より
「青少年のコンドーム購入」に関する法律をめぐり、韓国の世論が騒がしい。というのも、韓国には青少年が突起付きコンドームなどの特殊なコンドームを購入すると違法になるという、不可思議な規制が存在するためだ。販売者に対する処罰も重めで、1年未満の懲役もしくは50万円以下の罰金が科される。ちなみに、青少年が普通のコンドームや薄型コンドームを買っても違法にはならない。

 本来であれば、青少年にコンドームの使用を積極的に奨励すべき政府が、一部のコンドームを目の敵にしているということになるのだが、国民からは疑問の声が上がっているのだ。

 なぜ、このような規制が生まれたのか? 規制を考え出した国家行政機関である女性家族部は、その理由を次のように説明している。

「青少年が性関係を結ぶ際、刺激を感じることを憂慮し、特殊コンドームの販売を規制することにしました」

 つまり、「青少年の性行為自体は合法だが、気持ち良くなるのは違法」ということらしい。国民からは「どういう思考回路で、その結論にたどり着いたのか」「コンビニエンスストアの店員には、コンドームの目利きの資格がいるな」「快楽を感じたら違法なのか。なんでそんなことまで政府が関与するのか」など、激しい批判が展開されている状況だ。

 なお、この不可解な規制によってもっとも打撃を受けているのがコンドーム産業であるのは言うまでもない。現在、韓国のコンドーム販売業者は、インターネット上で旺盛に販売活動を展開しているのだが、韓国検索エンジン大手のNAVERでは、成人認証をしなければコンドーム販売サイトが表示されないようにフィルタリングをかけている。ちなみに韓国検索市場でNAVERが誇るシェアは90%以上だ。韓国コンドーム業界は、ネットに最も親しむ青少年購入層に、実質的に購入を呼びかけられない状況に追い込まれているのだ。

 韓国ニュースサイト「EDAILY」に掲載された、NAVER関係者談によると「女性家族部の規制があるので、青少年にコンドームを販売するすべての企業は、成人認証なしには検索できないようにしている」と話しており、また「一般のコンドームだけを販売している企業を別に扱えればよいが、物理的に限界がある」としている。

 性文化の専門家たちも、この規制に関してはかなり厳しい批判を寄せている。たとえば「幸福な性文化センター」の所長ペ・ジョンウォン氏は「快楽がない性関係がこの世に存在するのか。そもそも、政府は国民に機械的な性関係を望んでいるとでもいうのか」といぶかしがりながら、「性に対する理解が乏しいなかでつくられた間違った規制だ」と指摘している。

 確かに、客観的に見ても理解しがたく、ナンセンスな法律としかいいようがない。韓国政府が、コンドームのデザインにまで執拗に関与する理由はなんなのだろうか。見方によっては、青少年の性モラルの問題がそれほど深刻だとも考えられるし、よほどやることがなく暇だったとも考えられる。いずれにせよ、法律をつくった人々に一度、じっくり話を聞いてみたいテーマである。
(取材・文=河鐘基)

河鐘基

河鐘基

1983年北海道生まれ。株式会社ロボティア代表取締役。テクノロジー専門ウェブメディア「ロボティア」を運営。著書に 「AI・ロボット開発、これが日本の勝利の法則」(扶桑社新書)、「ドローンの衝撃」(扶桑社新書)、「ヤバいLINE 日本人が知らない不都合な真実」(光文社)。訳書に「ロッテ 際限なき成長の秘密」(実業之日本社)、「韓国人の癇癪 日本人の微笑み」(小学館)など。

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